首位でスタートした星川ひなのが、一時は田中のどかに並ばれるものの、終盤踏ん張り、3バーディ・4ボギーの1オーバーパー73で回り、通算6アンダーパーで逃げ切り初優勝を果たした。
自分では緊張していないつもりだったが、1番ホールのバーディパットを打ったときに「強く入りすぎて、やばい」と思った。このときは見事にカップインし「ラッキー」なバーディスタートとなった。「緊張するとまずパッティングの感触が悪くなり、手が震えたり、パンチが入ってしまう」とにわかに自分が緊張していることに気付かされた。その後、3、6番とボギーを叩き、7番ホールのグリーンまで来た時に、雷雲接近のため競技が一時中断した。1時間
19分の中断があった後に、プレー再開。8番でボギーを叩き、同じ組で回る田中のどかに並ばれた。しかし、中断したあいだにリラックスすることができたので、それ以上彼女にとって悪い流れにはならなかった。
田中は10番でボギーを叩き、13番でバーディを奪い、その差は2打に開いた。すると16番でボギー、17番ではやはり同じ組で回る小西瑞穂がバーディを奪い、彼女に一打差と迫られた。18番では小西が先に第3打をピン50センチにつけてバーディチャンス。星川は「プレーオフはしたくなかった」と残り83ヤードの第3打を52度のウェッジで4メートルにつけた。相手はバーディがほぼ確実。入れるしかなかった。「手が動くかどうか」と思ったが、スライスラインを読みきり、「いいパットができた」と見事に決めた。思わずガッツポーズが出た。
「疲れました」とホールアウト後の第一声。昨年1打差で2位になった口惜しさを見事にはらした。「去年のあの時から絶対優勝したい」と思っていた悲願のタイトルだ。「はじめての日本タイトルなので、自信になります」という。「涙が出ると思ったら、出なかった」と笑顔の優勝だった。
|