各選手がスコアメイクに苦しむコンディションの中、3バーディ・7ボギーの4オーバーパーをマークして、首位に並んだのが蔡秋明だった。「ドライバーは完璧だった」というようにほとんどフェアウェイをとらえた。3番と10番では約7メートルのバーディパットを沈め、16番ではグリーンのカラーから約12メートルのアプローチを51度のウェッジでチップインを決めてバーディを奪った。この時点でスコアは2オーバーパー。冷たい風が時折強く吹き、硬くて速いグリーンに多くの選手がスコアメイクに苦しんでいる状況では、かなりの好スコアだった。
しかし、17番(パー3)ではティーショットをグリーン右のバンカーに入れ、最終18番(パー4)では3番ウッドで打った第2打をグリーン右のバンカーに入れて、連続ボギーとしてしまった。結局、4オーバーパーでフィニッシュしたが、スコアには納得していた。
悔やんだのは、8番ホールのボギーだった。残り200ヤード。アゲインストの風が吹く第2打を3番ウッドで「完璧に打った」。しかし、ボールは硬いグリーンには止まらず、グリーン奥のカラーまでいってしまった。「奥からは速い」という頭があって、第3打はパターで打ったものの、打ちきれずにショート。結局パーパットを外し、ボギーに。快心の第2打だけにボギーの結果に悔しさを隠し切れなかった。
それでも順位は首位。来年の本選手権の会場は兵庫県の垂水ゴルフ倶楽部だ。ぜひとも地元での試合には出場したい。それゆえに「来年のシードの10位以内」を目指していた。だが、この順位ならばもっと上を目指してもいい。「明日はどうなるか、わからない」とはぐらかすが、このチャンスを逃す手はない。
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