勝利は目前だった。首位タイでスタートした蔡秋明は通算10オーバーパーで2位に1打差をつけて最終ホールを迎えた。残り180~190ヤードの第2打を3番ウッドで打った。インパクトの瞬間に力が入ってしまい、下半身の動きが止まり、ボールは無情にもグリーン右の池へ吸い込まれた。
結局ダブルボギーを叩き、通算12オーバーパーで1打差の2位タイに終わった。優勝争いは「何とも言えない痺れがあり、最高でした。元々の目標が来年のシード(10位以内)だったので、満足です」と言っていたが、目もとは赤かった。
そして最終ホール1打差で首位の蔡を追っていた小島朋広は、1.5メートルのパーパットを残した。同じ組で回る蔡がダブルボギーを叩き、このパットを決めれば優勝だった。「入れれば勝ちだとわかっていた」パーパットはフックラインだったが「まっすぐ強めに」打った。しかし、無情にもボールはホールの手前で左に切れていった。
ボギーでホールアウト。それでも小島は「これでプレーオフ」だと思っていた。上木政章がすでに通算11オーバーパーでホールアウトしていたことは、知らなかった。1打差の2位タイ。後半では蔡と首位に並んで優勝を争っていただけに、悔しさは隠せない。
優勝に手が届くところまで来ていた2人だけに、言葉に表せない思いがあるだろう。この悔しさを糧に、ぜひ来年リベンジを果たしてもらいたい。
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