2005年大会チャンピオンの井関剛義が意地を見せた。6番バーディ、7番ボギーの後、9番ホールではダブルボギーを叩き、前半を2オーバーパーでターンした後、10、11番と連続バーディを奪い、スコアをイーブンパーに戻す。その後、16、17番で連続ボギーとしたものの2オーバーパー74で、首位と2打差の2位タイにつけた。グリーンは「日本オープンより速い」と評するほど仕上がっていて、他の選手もグリーン上で手こずっていた。
そんな中、49歳になったベテランが「風が強くて難しかったので、グリーンに乗せておけばいい。グリーンを外しても寄せやすい方に」という無理をしないゴルフを展開した。「昔みたいに闘志もな
くなってきたし、ちょうどいい感じで100点満点です。大会に出させてもらえるだけでありがたい。楽しかった。感謝です」とこの舞台に立てることに喜べる心境に達したことが、いい結果を生んだ。勝てば本選手権は13年ぶりの2勝目ということになるが、そんなことは口にしない。「毎日76ぐらいで回れればいいと思っていた」とこの日は2つ貯金ができた。このゆるい感じで行けば、もしかすると…。
この日の130人の平均ストロークは81.90だった。決してレベルが低いわけではない。各地区のミッドアマを勝ち上がってきた選手たちの集まりなのだ。むしろ、いかにこの日のプレーコンディションが難しかったかを物語っている。したがって、74は決して悪いスコアではない。沼田光樹は4バーディ・4ボギー・1ダブルボギーという内容だった。冷たい風が吹きすさみ、プレーが速くならないように「リズムだけ気をつけてプレーした」。10番ホールからスタートし、18番ではフェアウェイから打った第2打をグリーン左のバンカーに入れ、3打目は出しただけ。4打目はカラーからパターを使ったが、寄せきれずダブルボギーに。フェアウェイからのミスだけに悔やまれたが、8番ホールでは4番アイアンで打った第2打をピンにピタリとつけてバーディを奪うなどいい場面もあった。目標は「来年の日本アマに出られる5位以内」だが、視界良好だ。
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