2021年度(第28回)日本女子シニアゴルフ選手権競技の最終ラウンド。この日は昨日よりも強い風が吹き、速いグリーンはさらにスピードを増した。それが逆に三木逸子には追い風となった。
「まさか8度も優勝ができるとは思っていませんでした。コンディションが難しくなってくれたおかげで、他の皆さんが苦しまれて、それでなんとか優勝することができたと思っています」。
難しい条件が揃うほど自分に有利に働くというのは長年の経験で察知していたに違いない。最後はプレーオフになったものの、ほぼ予定通りのゲームプランだったのではないだろうか。
「昨日もですけど、今日も後半はバタバタしてしまいました。なんとか
粘ったんですけど、最後のボギーもそうですけど、つまらないボギーを打っていましたね。緊張もなかったんですけど、グリーンが速いことで、難しいというのが頭にあるとなかなか打てなくて。それでタッチが弱くなって外してしまうという繰り返しでした。でもプレーオフの2ホール目で3メートル位のパーパットが残って、それを入れないと負けると思って打ったのが入ってくれて、結果的にあのパーパットは大きかったですね」。
三木は地元高知の明徳義塾で教員と勤めており中学生や高校生に指導している。今回の優勝はその子ども達に捧げる優勝でもあった。
「子ども達にやればできるという、努力して頑張ればできるということを身をもって教えたかったので、そういう意味ではちょっと意地になって勝ちたかったというのはあります。これでいい報告ができます」。
来年は9度目の大会制覇を狙ってさらに鍛錬してくると三木。前人未到の記録をどこまで作り続けるのか。三木の向上心は衰える気配がない。
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