プレーオフ敗戦の2019年日本ジュニアから2年過ぎ、手塚彩馨(TEAM KGAジュニア)は長野県の佐久長聖高に進学していた。身長は148センチから149センチとわずか伸びただけだが、ゴルフでのショット精度は大幅に向上していた。
大会第2日目は、サスペンデッドとなった第1ラウンドの残りホールを消化したのに続いて第2ラウンドをプレーした。この36ホールで手塚がパーオンを逃したのは6ホール。そのうち1ホールはカラー部分であったから実質5ホールだけと言っていい。ボギーにしたのは1ホールだけ(第1ラウンドの9番)で10バーディをモノにしての通算9アンダーパーをマークした。「ショットの調子がよくて、
グリーンに乗ったホールは、ほとんどバーディチャンスでした。グリーンのスピードが思ったよりも遅くて、外すことが多すぎました。もっとスコアを伸ばせていた内容だったと思います」。
通算9アンダーパーは、物足りないスコアだったようだ。第2ラウンドでも、スタートからバーディチャンスが続いた。5番までの4ホールは3~4メートルにつけながら、パットを打ち切れなかった。雨の影響もあって見た目以上に重くなっていたのだろう。「グリーンはきれいに仕上がっていて、速く見えるので、それに惑わされたというのもあると思います」。6番(パー5)でようやく3メートルが決まった。7番では180ヤードの第2打をユーティリティ4番で約1メートルにつけて連続バーディとした。中でも納得のバーディは6番だったという。「3打目はピンまで135ヤードで、8番アイアンで打ったのですが、自信をもってスウィングできました」。得意なクラブは?と聞くと「9番と8番アイアンです」と即答した。
小学校1年生で両親に連れていってもらった練習場。それが、ゴルフを始めるきっかけだったというが、この練習場には120ヤードと140ヤードとふたつのグリーンが設けられていたという。「ちょっとボールが打てるようになってからですけど、9番アイアン1本だけ持って、120ヤードのグリーンを狙って打つのが楽しくなりました。まだグリーンまでは届かないんですけど、ピン方向に飛んでいくと“おっ”なんて思ったりして…。何年かすると、グリーンに届くようになりました。それで今度は8番アイアンで140ヤードのグリーンを狙う練習も加えるようになりました。この練習は、私にとっての基本で、その後もずっと続けています。おかげでショートアイアンが好きになりました」自信を持ってスウィングできたというコメントには、そんな背景があったのだ。
第1ラウンドの67はパー72のコースでの自己ベストになる(5アンダーパーは2019年の日本ジュニア第1ラウンドに68=パー73設定=を出している)。2度目の本選手権。目標はトップ10として臨んだが、第1ラウンドの67に続いて第2ラウンドは68と好スコアを並べたことで「もっと上を目指してもいいかな…と上方修正する気になっています」と手塚。自信を深めたためか149センチの体が大きく見えた。
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