今年3月の全国中学校ゴルフ選手権春季大会で優勝した松井琳空海(新居浜市立東中学校 3年)には、「中2で勝って中3で負けるわけにはいかない」という意地があった。前日は激しい雨が降る中、2アンダーパーの70で回り、首位の田中天晴とは2打差で「トップをとらえてやる」と意気込んでのスタートだった。
前半は2アンダーパーの34で回り、後半に入ると10,11,13,14番と次々とバーディを奪っていった。この時点で「6アンダー、通算8アンダーまでいって、10アンダーまでいけるな」と思った。ところが好事魔多し。16番ホール(パー3)でティーショットをグリーン手前にショートし、アプローチをミスしてボールは
カップを2.5メートル、オーバーした。下りのパーパットだったが「打ち過ぎて」外し、返しのパットも外すまさかの3パットで、このホールをダブルボギーとしてしまった。
普通ならここで勢いが止まるところだが、松井は違った。続く17番でバーディを獲って、結局この日は7バーディ、1ダブルボギーの5アンダーパーの67でホールアウトした。スコアを通算7アンダーパーとして狙い通り首位に立った。
終わってみれば16番のダブルボギーが悔やまれる。この日は「アイアンショットがよかった」と言うとおり、バーディを奪ったホールはすべて2.5メートル以内につけていた。それだけに「悔い」が残る。素晴らしいプレーの中で「納得いかなかった」点だ。
だが、反省点を残していった方が、かえって次の日のプレーにいい影響を与えることも多い。「ぶっちぎりで優勝したい。今日のようにボギーをダブルボギーにしないようにしたい」と目標の優勝に向けて、糧としたいところだ。松井はスコアカードを提出したあと、飾ってある優勝トロフィーをじっと見つめていた。あたかもそこに自分の名を刻むかのように。明日、それを実現することが出来るか。
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