本来は年齢的に昨年から日本ミッドシニアゴルフ選手権競技への出場資格があったが、昨年は中止となったため今年が初出場となった亀井隆。これまで2018年の日本シニアゴルフ選手権競技をはじめ、関東シニアゴルフ選手権など数々のタイトルを獲るなどし、日本を代表するトップアマとして活躍してきた。ミッドシニア入りしても当然優勝候補に挙げられて当然の実力の持ち主だ。ただ、今回に限ってはそうではなかった。関東大会では体調を崩していた影響もあり、まさかの最下位で予選を通過しての本競技出場となり、しかも今回は練習ラウンド無しで挑んでいた。
「最下位での予選通過だったので、本戦ではなんとかという気持ちはありました
。ただ今週はぶっつけ本番だったのでどこまでできるかという不安もあり、そんな中で初日にイーブンパーで回れたことは自分にとって大きかったですね」。
当初は優勝は全く頭に無く、恥をかかないゴルフができればという思いしかなかった。ただ、それが想定以上の結果を第1ラウンドで出せたことで、亀井の勝負魂に火がついた。
「長年試合に出てていますが、4連続バーディでスタートしたのは初めてです。同じ組の江村さんと、1m、2mくらいのパーパットを入れ合うようなマッチレースになって。自分自身も江村さんに負けなければ勝てるかなという感覚でプレーしていました」。
ハーフターンの段階で亀井は2位以下に2ストロークリードしていたため、目の前の相手に負けなければという意識が働いたのだろう。ただ、それがいいリズムを生み出す要因になった。
結果的に最終ホールでバーディを奪っていなければプレーオフになっていたわけだが、最後のバーディも最後まで集中してプレーし続けた集大成と言える。
「まさか前の組でいいスコアで上がっている人がいるとは思っていなかったので、最後のバーディパットも寄せて2パットでいいかなと思っていたんです。それが上手く入ってくれて良かったですね」。
「是非連覇したいですね!」と亀井の視線は早くも来年に向けられていた。
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