アウトコース1番からスタートした冨田久三(静ヒルズCC)は2番ホールでいきなりボギーが先行する嫌な流れとなったが、その後5番ホールのパー4でバーディを奪うと、残りホールは全てパーを重ねて安定感の高さを見せつけた。
「今日は危ないのもありましたけど、上手く凌げたかなと思います。ただ、バーディパットが入らなかったですね。チャンスはあったんですけど。でも他でいいのが入ってくれたりしているので、プラマイゼロですけどね」。
冨田は昨日の練習ラウンドが垂水ゴルフ倶楽部での初めてのプレーで、その感想は“厄介”というものだった。
「距離はないですけど、場所によってはピンが見えなくなってしまうところもあるので、距離感がかなり難しいですね」。
そんな印象を持ちながらも好スコアでラウンドできた要因が2つある。
まず一つ目は、練習ラウンドの時に感じた“上には絶対につけちゃいけない”ということを徹底したことにある。いわゆるゴルフのセオリーと言われる手前から攻めることを実践した。距離こそ短いものの、起伏に富んだ地形が距離感を狂わせる。それだけに、ある意味で保険をかけた攻め方が常に必要になるのだ。
もう一つは、今年の9月に所属コースである静ヒルズCCで開催された国内女子ツアーの日本女子プロゴルフ選手権大会コニカミノルタ杯でのこと。冨田は3日間ボランティアとして大会に参加し、目の前で女子プロたちのプレーを見ることができた。その際に「なぜあんなにゆったり振っているのに飛ぶのか」、「常にピンを狙う姿勢に感心した」など様々なことに感銘したが、中で冨田に響いたのは常に同じリズムで振っていることだ。リズムの重要性を改めて認識したことで、今日のような不安定な天候の中でも安定したゴルフを展開できたのかもしれない。
明日の最終日も楽しむ気持ちで、自身初となる日本タイトルを狙う。
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