まさに圧勝だった。2位の水上晃男に6打差という大差をつけ、3日間でアンダーパーでまわったのは60人中、豊島豊1人だけ。見事なまでに3度目のVを飾った。
今大会のコースであるスプリングフィールドゴルフクラブは、多くの選手がアウトコースは回りやすく、インコースが難しいと口を揃える。ただ、豊島は逆にアウトコースが苦手だという。「今日は苦手な前半(アウトコース)をアンダーパーでまわれれば、優位な状態で後半には入れると思った」と言うように今日は全体的に右目にピンが切られていたアウトコースはフェードヒッターである豊島としても狙いやすいピン位置であったため、苦手としながらもイーブンパーで前半を折り返す
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ことができた。
後半は豊島が得意とするインコース。ここでスコアを伸ばせれば優位に立てると思いきや「後半は左寄りにピンが切られていたので、得意なインコースではあるけど狙いづらかった」というように10番から13番ホールはショットに力が入りすぎて左にいきすぎるミスが目立った。ただ、そこで崩れないのが豊島の強さだろう。アプローチで上手く寄せてパーセーブで凌ぐと、14番15番と連続バーディでスコアを伸ばし、上がり3ホールはパーで締めて、終わってみれば2位以下に大差をつけての優勝だった。
今年は関東ミッドアマでも優勝し、前週は社会人ゴルフ大会でも優勝、ミッドアマチュア競技界では確固たる実績を築いているが、豊島は自身の事を「ミッドアマの世界では中間管理職」だという。ミッドアマをリードしているのは50代の水上晃男や髙橋雅也ら上の世代の人間で、近年、20代の選手が以前に比べて増えたという事で44歳の豊島は真ん中の世代で中間管理職なのだということだ。今回も2位は水上、3位タイに髙橋が入るなど、上の世代の活躍が目立つ一方で下からの突き上げがまだ少ない。若い選手が活躍することでミッドアマはもっと盛り上がるのだということを豊島は望んでいる。
ミッドアマ選手権3度目の優勝を成し遂げ、豊島に次の目標は?と聞いてみた。
「実は4年前から全米ミッドアマの予選会に出ているんです」と教えてくれた。ただ、過去2回予選に出場するもまだ通過することが出来ず、肝心の本戦への出場が叶っていない。最近はコロナ禍で海外に行くことが出来ていないが、来年コロナが落ち着いていれば再び予選会に出場して全米ミッドアマの本戦に挑戦することを目標にしているのだという。「体が動くうちに挑戦したい」その飽くなき向上心が豊島の強さでもあり、原動力なのだろう。
実は豊島の優勝は朝から予兆があった。朝スタート前にゴルフ場のレストランで豊島に会った際、「これ見てください」と手にしたものを見せてくれた。そこには「111」と書かれたロッカーキー。
今大会、出場選手が使うロッカーは毎日変わる為、ゴルフ場から豊島に渡された1が3つ並んだロッカーキーもこの日ランダムに渡されたものだった。3度目の優勝を目前にまさに縁起を担ぐアイテムが豊島の手に渡ったのはある意味必然だったのかもしれない。
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