日本ジュニアでのプレーオフ負けに始まって、本大会も昨年は最終日を首位で迎えながら終盤で尾関彩美悠に逆転されて2位。手塚は、あと一歩というところでタイトルを逃し続けてきた。ゴルフセンスが、眩しいばかりに輝く高校2年生である。
優勝を逃した昨年大会、手塚は「自分としては最高に近い調子で試合に臨めました。今回は、昨年ほどの好調さとはいえませんが、その分、ゆっくり、じっくりとコースに向かい合おうというつもりでいます」と、今大会に臨む気持ちを明かしていた。
“ゆっくり、じっくり”というゴルフで大切にしていることがあるという。それは、「気持ちの切り替えです」。ミスをしないように心掛けながらも、
ミスしても焦らず、自分を責めず、次の1打、次のホールへと頭の中を切り替えて、トータルで結果につなげられるようにしていく流れを自分で作っていくことを今年のテーマとして持参したというのだ。アウトからのスタートで、バーディチャンスを数回逃したが、気持ちを自分から揺らすようなことはしなかったが。5番パー3ホールで会心の1打が飛び出した。173㍎を5UTでピン横70㌢にピタリとつけたのだ。このバーディにも「ようし!」と勇み立つこともなく、「今日の中の1ホールのできごとで、うまくいったショットにばかり自分で脚光を浴びせてしまうと、全体像(18ホールでのゴルフ)が霞んでしまうから、一喜一憂はしません」
結局18ホールを終えてみれば、3バーディにボギーも3ホールでイーブンパーでのスタートとなった。2日目以降には、第1日の反省も込めて「パッティングを調整して、自分では速いと感じるグリーンに合うタッチをつかんでいきたいと思います。後半の2日間で、“ぴったり合うようになったな…”という流れになればいいと思います」
ことしの手塚には、不思議なほどの余裕と、ゆとりが感じられる。
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