高校2年生の小俣柚葉が68の好スコアをマークして上位に浮上した。「調子はそれほど…という感じなんですけど、スコアはまとまりました」という内容は、4バーディ・ノーボギーという効率のよさだった。
アウトからスタートして4番パー4ホールでフェアウェイからの第2打(154㍎)を7番アイアンのコントロールショットで2㍍につけ、最初のバーディを決めた。9番でも、これまた7番アイアンでグリーン奥のピンを攻め、カラーにこぼれたものの5㍍をパターでカップに沈めた。インにターンしての15、16番では連続バーディを奪ってスコアを伸ばした。
「実は…」と小俣。「チャンスと呼べそうなのは、この4ホールだけだ
ったんです。あとは、普通のパーでした。少ないチャンスを取りこぼさなかったのが大きかったと思います」
パティングが安定していた。長い距離が残ったグリーンではしっかり距離を合わせ、2㍍前後の微妙な距離のパーパットは確実に決めた。今大会前からパッティングストロークに自信を持てるようになったという。練習器具を使ってパターのヘッド軌道が安定したことと、フック、スライスと曲がるラインでも狙ったスパットに真っすぐ打ち出せるようになったことで、カップイン確率が高くなったのだそうだ。距離を合わせるのは、元々得意だった。この日も10㍍以上の難しいラインのパットが4ホールあったが、ファーストパットをほぼ“OK”の距離に寄せてフラストレーション知らずのパーで切り抜けてきた。2回あったグリーンサイドのバンカーショットも「砂が湿っていたので打ちやすかった」と難なくパーで通過していった。
東京・杉並区で練習場を営む家に生まれ、恵まれた環境の中で育った。3歳ぐらいからゴルフを始めたというのも、この環境があったがゆえだ。父親がコーチ役だったという。得意なクラブはドライバーとパター。代々木高に進学(通信制)したからは、ゴルフ中心の生活を送るようになった。「毎日、練習か合宿かラウンドです」。合宿というのは、両親、祖父、祖母らとの泊りがけのゴルフで栃木県方面に足を延ばしている。家族全員がゴルファーで、小俣は、この家族との連泊ゴルフを“合宿”と呼んでいるのだ。
夢は、「高校生でいるうちにアマの1位になること」といい「だから、この日本女子アマは勝ちたい大会の筆頭なんです」
ゴルフで得意なものが、もうひとつあるという。それは「耐えること」。チャンスがくるまでじっくりと待ち、チャンスがきたら着実に決める。それは、まさに第2日のゴルフそのものだった。残り2日間も「ドライバーショットでフェアウェイをはずさないようにすること。3パットをしないこと。ボギーを打たないこと。それを守ってプレーしていきます」
小俣は夢の実現へ着実に進んでいこうとしている。
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