良いことがあれば、悪いこともある。禍福は糾える縄の如しー。よくいわれることだが、仲村果乃のとらえ方は、ちょっと違う。良いことがあれば「これは、まだまだ続く」だし、悪いことがあれば「次は良いことが待っている」というのが果乃の志向なのだ。「私は、おおらかというか、適当というか、楽観的というか、最大限の評価をすればポジティブ思考の持ち主だと思います」というのが自身の分析である。
大会に臨むにあたり、良いことがあった。ちょっと悩まされてきたパッティングに閃きがあったというのだ。「なんかストロークにぎこちない思いがあったのですが、ボール位置をちょっと体からはなしたら、スムーズにヘッドが動くようにな
ったんです。練習グリーンで確認すると、自分の思ったところにボールを打ち出せるようになったし、想定したラインにしっかり乗っていってくれました。“これなら決められる”って、自信を持ってコースに出られるようになりました」
良いことがあれば「これは続く」という思考の持ち主である。第1日は71とアンダーパー発進だった。そうなると、第2日は「もっと良くなる」と持ち前のポジティブシンキングで、スタートのインを2バーディの34でアウトにターンすると1、2番は連続バーディ。4ホールのバーディは5㍍、3㍍、2㍍、4㍍の距離を沈めたものだった。3番では3パットのボギーを叩いたが、これも仲村流解釈だと「調子に乗り過ぎてはいけないという、ありがたい忠告でした。もちろん、悪いことは続かないと思っていますから、ちょっと慎重にゴルフを続けました」ということで4番からは6ホール連続でパーをキープして69でホールアウトした。
舞台になっている岐阜関カントリー倶楽部東コースは6568㍎とたっぷり距離がある。また仲村の話だ。「自分向きだと思います。一番得意なクラブがユーティリティ(22度、25度の2本)で、どちらも3パターンの弾道を打ち分けられます。このコースは、そのユーティリティクラブを使うことが多いので、ゴルフが楽なんです。コースとの相性は抜群です」
連日のアンダーパーマークが、仲村の発言を裏付けている。良いことは続く。仲村の快進撃は、まだ続きそうだ。
|