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永田加奈恵(近畿大学) |
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塩澄英香(福岡大学) |
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中村珠莉香(上智大学) |
63回を迎える日本女子アマチュアゴルフ選手権。今年は142名中36名が大学生、20代選手は142名中31名と、ここ数年で大学生ゴルファー、20代の選手の参加が最も多い。現在の女子ゴルフは、西郷真央や山下美夢有など10代の選手がプロテストを受験し、高校卒業後からプロとして活躍する選手が多いが、その道を選ばずに大学に入学する選手たちの活躍を追ってみた。
近畿大学3年生の永田加奈恵は、後半の3連続ボギーが響きスコアを2つ落とし2オーバーパーで3日目を終えた。永田自身は高校時代に一度プロをあきらめかけたこともあったそうだが、昨年今年と関西のリーグ戦で2年連続優勝を果たす古豪、近畿大学に入学しライバルたちと切磋琢磨して、一から頑張ろうという気持ちになったという。現在21歳の永田にとっても、自分より年下の世代には刺激を受けているようだ。「10代の子たちにも負けたくないですし、プロの世界で同世代の子たちが活躍をしているのも刺激にもなっているし、その子たちを追いかけているモチベーションも大きいです。」
今後はプロゴルファーを目指していくそうだが、その為に必要なことはパッティングをしっかり決める事、4日間競技でいかにスコアを伸ばしていけるかと分析する。明日の最終日、アンダーでまわり、上位に戻ることが出来ればプロ入りに必要と自身で考える目標もクリアできるはずだ。
第1ラウンドを首位タイでスタートした塩澄英香は、2日目75、3日目の今日も苦しいラウンドではあったが、10番ホールで120ヤードをカップインさせイーグルを奪うなど巻き返しをはかったが、イーブンまであと1打足りず73で回り、2オーバーパーで最終日を迎える。
福岡大学3年生の塩澄だが、福岡大学のゴルフ部は部員が15名ほど。決してゴルフ強豪というわけではない。
「ゴルフだけでなく、勉強も必要だと思っています。大学でスポーツ科学部に入っていて、スポーツに関する栄養学や体力学、心理面などを学んでいて、それをゴルフにつなげられることが多くあるので、私は大学で勉強することも大切かなと思っています。」
もちろん塩澄にとっても、永田同様、プロゴルファーになることが一番の目標であることに変わりはない。それでも「プロ生活を終えたあとに指導できる立場の人になる、自分が経験してきたことを伝えられる人になりたい」と将来の人生設計をしっかり見据えている。
上智大学4年生の中村珠莉香はこの日は、ショットは3日間の中で最も良かったものの、パッティングのミスでバーディを奪えず悔しいラウンドだったと振り返るように、通算11オーバーパーまで後退した。上智大学へは英語の成績や、高校の成績、当日のテストや面接を経たAO入試で合格し入学した中村。他大学への入学も視野にはあったそうだが、大学での留学を考えていた為、留学しやすい環境である上智大学を選んだそうだ。新型コロナウイルス感染拡大の影響で、結局在学中に留学は行けなかったそうだが、すでに卒業後の進路・就職先も決まっており、今年が最後の日本女子アマとなる。
「競技ゴルフに戻りたいですけど、新卒で入社して大変になると思うし、ゴルフも自由にできるかわからないんですよね。でも最後の日本女子アマで決勝まで残れたことはうれしかったですし、今回の自分の一週間には自分にご褒美をあげたいなと思います。」
スポーツ推薦がない上智大学ゴルフ部は、大半の部員が初心者で、自分のゴルフをするより、技術だけでなくマナーなど部員の育成がほとんどだという。その環境の中に身を置きながら、アマチュア最高峰の日本女子アマで予選通過したことは素晴らしいの一言だ。大学生活集大成の日本女子アマ最終日の目標は1桁オーバーパーまで戻すこと、その目標を達成することが出来れば最高の1日になるはずだ。
人生は人それぞれ。若くしてプロゴルファーになる人もいれば、大学でゴルフを行いながら学ぶ人もいる。残り少ない大学生活を悔いなく終えてもらいたい。
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