東家春奈は熊本国府高3年生。実に、これが初の日本ジュニア出場である。ラストチャンスで、なんと首位タイのスタートを切った。
「出たかった試合だったし、3年生になってようやくひとつの夢がかなったので、この経験を思い切り楽しみたいと思ってコース入りしたんです」
緊張はしなかった。しっかり楽しんだ。全ての1打を頭に刻み込んでおきたい。「でも、ショットは、上出来には程遠かったんです。それも、初出場の記憶として残しておきたかったので、素直に受け入れられました」
パーオンできたのは11ホールにとどまった。その11ホ―ル中4ホールで2~4メートルのバーディパットを決めた。そしてグリーンをはずした
7ホール中6ホールはアプローチで寄せきってパーをセーブした。ボギーにしたのは、わずか1ホールだけであった。
「とにかく楽しもうという気持ちが強かったのでどんな場面に出くわしても、緊張はいっさいありませんでした。アプローチショットもうまくいったし、パットも入ってくれました。本当に楽しめました」
9歳でゴルフをはじめ、これまでのベストスコアは69。初出場の日本ジュニアで自己ベストを更新した。こうなるとひたすら楽しむというゴルフに緊張という邪魔が入り込んでくるのでは…。
きっぱりと否定した。「いえ、明日は、もっと楽しんでやろうと思います!」
尊敬する人は、同郷熊本の大先輩である上田桃子だという。楽しんだ跡がスコアになる。東家のそんな思いは変わらない。どんな足跡を残すことになるのであろうか。
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