日本女子学生ゴルフ選手権の第2ラウンド。田中こころ(岐阜聖徳学園大1年)が、4バーディ・1ボギーの70ストロークをマークし、通算8アンダーパーの単独2位で最終ラウンドを迎える。
長い2日間だったに違いない。昨日日没サスペンデッドとなり1ホールを残した田中。明けて25日の6時30分に競技が再開。再開後のホールをパーで締め、第1ラウンドを見事に首位タイで終えた。程なくして第2ラウンドをスタートしたが、やはり慣れない時間からのスタートに多少の戸惑いはあったようだ。
「朝早い時間から回ることがないので、まだ体が起きていない状態でのプレーでしたけど、1ホールだけのラウンドだったのでまだ良かったで
す。」
ここまでの2ラウンドを振り返り、好調の要因はショットとパターにあるという。
「昨日の状態のまま、ショットも良くて、パターも入ってくれました。グリーンの重さやセッティングが昨日と今日で違ったので、2ラウンドのスタートホールで長い距離のパットを1ピンくらいオーバーしてしまったんです。それが入ってくれたので少しずつタッチが合ってきてバーディも来てくれました。」
今年の日本女子アマチュアゴルフ選手権では、最終ラウンドにスコアを崩し23位タイに終わったものの、それまでは上位争いに食い込む活躍を見せた田中。ただ、その時のことを振り返るとパターがひどかったと反省しきりだった。そして決断したのがパターの交換だった。
「日本女子アマのあとすぐに、ピンタイプからセンターシャフトのパターに替えて、それからパッティングが良くなって不安なく打てるようになりました。もともとはパターの重さが軽めで、速いグリーンだと手が震えたりもしたので、重たいセンターシャフトのものに替えたら、リズムも良くなってバーディ数が増えたので、今回もそれでバーディが取れているんだと思います」
通算8アンダーパーという結果を出している田中にとって、会場のカレドニアン・ゴルフクラブは合っているように見えるが、そうでもないようだ。コースの印象を聞いてみたところ、「去年の日本女子オープンの予選で回ったんですけど、その時にコテンパンにされて、今までプレーした中で一番難しいゴルフ場だと思っていました。でも、だからこそ練習ラウンドに来る前からコースのイメージを覚えていたので、攻め方を考えながら出来たのかなと思います。」と、過去の経験がここまでの好調さに繋がっている。
まだ1年生の田中にとって、本選手権は当然初出場だが、ここまでの日本女子学生の感想を聞いてみた。「すごく楽しいです。全国大会というのが久々だったのですごく楽しいなと思いながら回ることができたので、リズムも良くなったのかなと思います」
最終ラウンドは1打差を追うことになるが、田中曰く「追われるプレッシャーより、追った方がエンジンはかかりやすい」といい方向に向いている。さらに続けて、「優勝を意識しているというより、結果的にここまで良い位置にいるだけなので、明日くずれないように、攻めすぎずミスを少なくしてまわりたいです」
今年の日本女子アマチュア選手権は地元岐阜県の岐阜関カントリー倶楽部での開催で応援も多く、期待に応えたいという気持ちが強かったからか、大会を終えた途端、田中の眼に涙がこぼれた。「あの時は悔し涙というか、応援してくださる方が多かったので、それに応えたいという気持ちが大きかったです。今回も日本女子学生に出ると知ってくださっている方もいるので、気負いすぎずに自分の出来ることを最低限やりたいなと思います。」
まわりの応援を背に最終ラウンドを戦う田中。期待に応え学生日本一の称号を勝ち取り、今度は嬉し涙を流したいところだ。
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