雷雲接近で2度の中断の末、36ホールに短縮となった日本女子学生ゴルフ選手権。前日までのスコアで順位が決定し岐阜聖徳学園大学1年の田中こころが第2位。惜しくも優勝とはいかなかったが、初めての日本女子学生で堂々たる結果だ。
16番ホールのセカンド地点で中断になり、その時点では2アンダーパーで回っていた。しかし、そのまま第3ラウンドの中止が発表。第2位が決定した後、田中に話を聞いた。「最後まであがりきりたかったというのはあるんですけど、大学1年からこんな大舞台で最終日最終組でまわることが出来て大きな財産になりました。今日も途中までアンダーでプレーできていたし自信にもつながりました。2位は悔しい
ですけど、この試合は自分にとって財産になった大会だったなと思います。」
最後までプレーできなかった残念さ、2位に終わった悔しさ、さまざまな気持ちはある。それでも最後は満足や達成感からか笑顔が印象的だった。
優勝した小暮千広、そして3位に終わった稲垣那奈子。優勝を争うライバルではあったが、緊張感は持ちつつも楽しいラウンドだったという。
「プレーする時は集中してプレーして、歩いているときとか、あと中断もあったし結構会話はみんなでしていました。和やかな感じでラウンドできて、プレーの時だけはピリピリ。気負うことなくゴルフを楽しみながらプレーできたかなと思います。」
中止が発表され、クラブハウスで優勝が決まった小暮を見つけると、一目散に駆けつけライバルを祝福していた。プレーが終わればライバルから仲間へ、これも学生ゴルフの醍醐味だろう。
23位タイに終わった涙の日本女子アマチュアゴルフ選手権から2カ月。第2位となった日本女子学生では笑顔があふれていた。
「日本女子アマの時は地元で期待されていた分、残念に思われていた方が多かったと思うんですけど、今回は最終日中止にはなりましたけど、2位で終われたというのは自分的にも嬉しいですし、いい報告が出来るかなと思っています。」
今年は2位に終わったが田中はまだ1年生。あと3回日本女子学生優勝のチャンスはある。「今年の2位は嬉しかったですけど、日本学生2位では終わりたくないので、もっと練習して来年はぶっちぎりで優勝したいと思います。」
笑顔の中にも、「2位では終わりたくない」という言葉が力強くも感じた。
そして今後も田中こころの挑戦は続く。日曜日には女子ゴルフの『住友生命 Vitalityレディス東海クラシック』の予選会、明け月曜日と火曜日は『日本女子オープン』の最終予選が待っている。
「去年の女子オープン予選では、結局ダメだったんですけどカットラインが落ちてきて、自分の1個上の人まで出場権が落ちてきたんです。カットラインを気にしすぎて、途中スコアを気にするあまり、攻めすぎて最終ホールをボギーにしてしまったんです。そのボギーが大きかったというのもあるので、今年はカットラインよりも一打一打に集中することを心がけたいです。」
昨年、惜しくも出場権をつかみそこねた『日本女子オープン』の切符を、好調な勢いそのままに再びつかみにいく。
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