初出場初優勝へのプレッシャーが掛かる中、第3ラウンドも5バーディー・1ボギー・1ダブルボギー70とスコアを伸ばし、通算8アンダーパーでホールアウトした水上晃男が日本シニアゴルフ選手権を制した。第1ラウンドから他を寄せつけない強さを見せて2位に10打差をつける圧巻のゴルフだった。
ホールアウト直後には「嬉しいですね。50歳を迎えてから、この大会が1つの目標となっていたので、夢が1つ叶いました」と素直に喜んだ水上。
第3ラウンドは前半の2番、3番で連続バーディを奪い、9番ホールでも4メートルのバーディパットを沈め、3つスコアを伸ばして後半へと折り返した。12番でこの日4つ目のバーディを
奪取し、通算10アンダーパーと大台に届いた。
「前回のミッドアマでも苦手意識があった14番、15番ホール。昨日まではパーをセーブしていたけど、今日は15番で池に入れちゃいました」と痛恨のダブルボギー。17番でバーディを獲り返すも、最終18番はボギー。前半の貯金もあり、見事に3日間アンダーパーで回り、岡山県屈指の難コース、鬼ノ城ゴルフ倶楽部を攻略してみせた。
50歳を超えてから日本ミッドアマ、日本シニアと日本タイトルを2つ獲得。3日間を振り返りパターの調子が良かったと話す。しかし、何よりも自身のコンディションが一番良かった。「50歳を超えてから、パーソナルトレーナーについてもらい、腕の筋肉トレーニングをしています。ムキムキにしない程度に筋肉をつけています。同時に疲れない身体づくりも。いままではどうしても3日目、4日目と日を重ねる毎に疲れを感じて、飛距離が落ちてきてしまう。みんなマッサージなどを取り入れていますけど、私の場合は温泉に浸かって、腕と背中に湿布を貼って寝るだけ。ゴルフのあとに余計な時間もお金も取られることなく疲れが取れている」と強さの秘密を明かしてくれた。
優勝を確信したのは2番、3番ホールで連続バーディを奪取したタイミング。「2つ貯金ができましたし、ショットも昨日より安定していましたから。無理せずに刻んだりして安全運転しつつもバーディが来てくれた」と2日間の貯金が気持ちをリラックスさせてくれた。そしてキャディを務めてくれた荒木さんの的確なアドバイスにも助けられた。
これからの目標について「あと10年。60歳を過ぎても日本アマで活躍できる選手でありたい。もうこの年になると一緒にプレーしていたプロゴルファーたちがだんだんシニアに近づいている。彼らがもう40歳を超えてきているので、なんだか不思議な感じです」と笑って話す。
55歳シニアルーキーはまだまだ衰えることなく進化を続けている。これからのシニア水上の快進撃に注目だ。
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