日本女子ミッドアマチュアゴルフ選手権最終ラウンド、首位タイでスタートした近賀博子が、3バーディ・4ボギーの73でまわり、通算1オーバーパー。2位に3打差をつける見事なゴルフで本選手権初優勝を飾った。日本女子シニアゴルフ選手権で優勝を飾ったばかりだが、2週間後の今大会でも優勝を果たし2冠の快挙を成し遂げた。
現在52歳の近賀。それでも2日間を通して強さが際立っていた。最終ラウンドのバックナインでは、風も強くなり、上位陣が軒並みスコアを落とす中、近賀は我慢のゴルフをみせてパープレーでしのぐことができた。その差が2位以下の選手との差となって現れたのだろう。そこも近賀自身が常に考えている、コースに勝ったということなのだろう。
もっとも、近賀本人には余裕はなかったようで、「もう足つりそうでしたし、クタクタでした」満身創痍で勝ち取った優勝だったのだろう。
勝利が決まった瞬間、大勢の選手が近賀の優勝を祝福しにかけつけた。それだけ慕われているということだろう。「優勝は嬉しいです。でも、自分よりもまわりに喜んでもらえるのが嬉しいんです」歓喜の瞬間だった。
迎えた表彰式のスピーチでは、近賀の目に涙があふれた。そのことについて聞いたところ、照れながらも答えてくれた。「ミッドアマでまさか自分がスピーチをするとは思いませんでした。まわりの人は、去年2位だったんだから、今年こそはと思うかもしれないですけど、私本人はそんな大それたことというか、自分でいいのかなという感じですよ」自然と涙が出たのだろう。涙の理由はわからない。それでも見ている側を感動させる涙だった。
昨年、日本女子シニアでプレーオフに敗れ、今年見事にリベンジを果たした。そして本選手権でも昨年は2位、悔しい思いをしてきた。しかし、近賀の強さは勝ち負けにこだわらないところにある。「競っていきたいし、どうせならお互いに良いプレーで出来たらいいなと思っています。みんなも、あの人に負けて悔しいではなくて、コースに負けて悔しいと思ってほしいです」その考えが今年優勝をもたらし、見事にダブルリベンジ達成で2冠につながったのかもしれない。
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