首位と2打差の2位タイの一人、内山汐里は前半と後半で別人のようなゴルフを展開した。
前半の9ホールは2つのボギーに加え、6番(パー4)でダブルボギーを叩いてしまい、痛恨の40。後半は2バーディ・1ボギーにまとめてなんとか盛り返した。ハーフターン時にうまく切り替えられたのは、あまりに酷かかったドライバーショットを見直した時、飛ばそうとしていたことに気づいたからだ。
「最初は左にばっかり飛んで、それで途中は右も左もいく感じになってしまって。ドライバーは飛ぶクラブなのに、なぜ飛ばそうとしているんだろうなと思って。“アホだ!“と思って、それでもう一回リスタートしようと思ったんです。後半はうまく切り替えることができました」。
ゴルフの内容的には満足できるものではなかったが、順位的には首位と2打差と十分優勝を狙える位置。冷静になった内山にとって、2打差は追いかけるには絶好の距離感と言える。
もう一人の2位タイの吉川美香は2バーディ・3ボギー・1ダブルボギーの75という内容。小野ゴルフ倶楽部に対しては「80がパープレー」というほど、難しい印象を持っていた吉川だが、この日は120点と言い切るほどの内容で好スタートを切ることに成功した。その要因はティーショットの安定性。後半はやや乱れたものの、前半は狙ったところにほぼボールを置くことができた。ティーショットのプレッシャーが大きい小野ゴルフ倶楽部なだけに、勝つためにはいかにフェアウェイから打つかが鍵を握りそうだ。
そして最後の2位タイの一人が平林治子。1バーディ・4ボギーの75という内容。昨年は4位に終わっているだけに、今年こそはという思いが強いが、加えてどうしても頑張りたい理由がもう一つある。
「実家が長野の松本なんですが、母の80歳のお祝いをできていなくて。今年はシードで出場が決まっていたので、それで1年前から神戸旅行を計画していたんです。母は明日松本から来るんですが、(人として)目標でもある母に良い報告ができるように頑張りたいと思っています」。いろんな人に支えられて大会に出場できていることを噛み締め、この日は苦しい場面も諦めず踏ん張った。明日は最高の報告をするために、もう一踏ん張りするつもりだ。
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