10番ホールからスタートした前半は3バーディ・3ボギーとちぐはぐなゴルフを展開していた外園が、後半に入るとボギーなしの4バーディ奪取と一気にスコアを伸ばし、トップタイに浮上した。転機となるホールがあった。3番でバーディを奪った直後の4番(パー4)のことだった。
ティーショットを大きく左に曲げ、OBぎりぎりの左ラフに打ち込んだ。なんとかOBはまぬがれたが、グリーンは狙えず、5メートル以上あるパーパットに臨まなければならなかった。
「前半はよくても、後半は伸び悩むか、スコアを乱す。そんなゴルフが多くて、いつのまにか自分のパターンに定着してしまった」というのが、外園のこのところのスタイル
で4番ホールでも「また、いつものパターンなのかな…」と、ちょっと気落ちしていた。グリーンに上がって、パーパットを打つ前に、何か閃くものがあったという。ラインは最後にフックしそうだった。微妙なラインになると、曲がりを読み過ぎる傾向があり、カップからはずれることが多いそうだ。前半の3ボギーは、その流れだった。
「同じことをやってもしようがない。ここは、カップに飛び込ませるつもりで強めにまっすぐ打ってやれ。不思議に、そう気持ちが固まったんです。自分を信じる気持ちがわいてきたんです」曲がりそうなら、曲がる前にカップインさせてしまえ。決断できた。そして、ボールはかなりの勢いでカップに飛び込んでいった。ゴルフでは“バーディに勝る良薬なし“などといわれるが、外園にとっての、このパーパットはバーディ以上の精神的な良薬となった。強気に打てたタッチが手に残っていた。
ピンチをしのいでからは、5、6番と連続バーディ。最終ホールとなった9番でもバーディパットが決まった。
昨年はプロテストでファイナルにまで進んだが、合格はできなかった。卒業してからの調子も良くなかった。それが、5月になって上向いたという。頭の中には2度目のプロテスト挑戦もあるが、これまた不思議なことに、今年は「それよりも日本女子アマに勝ちたい」という思いが強くなっていた。
「久しぶりに上位で戦えるので、残る2日間のゴルフも楽しみです」。4番ホールで決めた難しいパーパット。それが、ホールアウト後のコメントにもさりげない自信をのぞかせるものになっていた。
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