第2ラウンドを68で終え、通算7アンダーパーとした中野麟太郎は、プレーを振り返って「ショットが不安定だったんです。でも、なんとか崩さずに耐えて68で回れました」とマネジメントとピンチを凌ぐメンタル面で纏め上げたスコアだったという。出だしの1番でボギー。3番、5番とバーディを奪い11番(パー5)でバーディを奪うまで、ずっとパーが続いた。残り7ホールとなり15、16番でバーディを奪うものの、なんとかパーで切り抜けるプレーだったという。
「でも、逆に考えれば、これだけショットが不安定で、もったいないバーディパットも逃していてのこのスコアは、自分では昨年よりも少し成長したかなと思います」とも言っ
た。
昨年の本選手権を16位タイで終えたあと中野は、JGTOツアーに参戦した。「3試合です。マイナビABCチャンピオンシップ、カシオオープン、そして中日クラウンズです。そのときに学んだことが大きかったですね」と言った。それは「経験値からくる技量ですね。僕よりショットが乱れているプロの選手でも、終わって見れば僕よりスコアが良かったり。それが、どこに違いがあるのかとか、どうしたらそうできるのかとか、いろいろ考えたんです。一つは、精神面ですね。それから、調子が悪い中でも、要所要所をきっちりと抑えて、自分のゴルフへと流れを持っていく経験値。どれもが自分に足りないと思いました」と分析した。
中野は、このオフに1ヶ月間、ニュージーランドへゴルフ合宿に行った。早朝から3時間、打球練習などをこなして、その後、4時間の語学授業などを受ける。それが終われば練習と、ゴルフ漬けの日々だった。だからというわけではないが、本大会は、フェアウェイもラフもベント芝。合宿でも、同じベントで練習し尽くしたことが、今回の対応能力の助けになっているのかも知れない。
「昨日、今日とひとつひとつ冷静にジャッジしてプレーできているので、伸ばせるゴルフだと思っています」という中野は、実は、内面はアドレナリンが出まくるという性格だという。「ドライバーも(試合になると)飛び過ぎちゃうんです。だから逆に不安になって別のクラブを使うという場面もいくつかありました。ともかく神経を使い耐え抜いて、ふとみたら、あ、もう18番に来ていたっていう感じでしたね」という中野は「昨年と違う自分」を、自分でもしっかり確認し、確信したいという。
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