今年の日本女子アマチュアゴルフ選手権優勝者で日本ジュニア本部門で日本両タイトルの年間獲得を狙う飯島早織が7アンダーパー66の好スコアをマークして首位スタートを切った。とはいえ、満面の笑みというより不思議そうな表情であがってきた。実は、前日の練習ラウンドでは「ショットが不安定で、パットも決まらずという状態でオーバーパーを叩いていたんです。それが、本番になったらどちらも良くなっていて、こんなスコア(66)を出せてしまって…」不思議な成り行きに戸惑いを隠せないでいたのだ。
最初の「あれっ?」は、スタートの10番ホール。5メートルほどのバーディパットが決まったときだった。距離は、それほど長くはな
かったが、微妙なタッチを求められる下り傾斜のライン。スタート前に決めていたことがあった。「パッティングをショートさせない」というのが、それである。外すのは仕方がないとしてもカップに届かないのじゃ絶対に入らない。せめて可能性のある外し方でなければ…。それができれば、よしとします」
スタートホールで、自分で決めていた“強めにヒットしていく“の効果で、どちらかに切れそうに思えたパットがカップ真ん中から決まった。12番では、同じような下りラインで10メートルの距離はありそうなパットが、またカップ真ん中から転がり込んだ。前日の練習ラウンドでは、外れまくったというパッティングが次々にカップに吸い込まれる。13番で4メートルの上り傾斜のラインもしっかり打ち切って4ホールを終えた時点で早くも3アンダーパー。16番(パー3)では、あわやホールインワンかと思わせるピンそば20センチのスーパーショットも飛び出した。
それまでは「こんなに上手くいくはずないのになあ…」と不思議がっていた飯島も、ここにきて、なぜだかはわからないのだが、「今日は、こういう日なんだ」と、第1日の自分のゴルフを素直に受け入れる気になっていた」。
後半にターンしての5番ホールでは、グリーン奥からチップインが決まった。さらに7、8番も連続バーディに仕留めて、結局ボギーなしの7バーディで66のビッグスコアになっていたというわけだ。
「本当は、こんないいことばかりは続かないと思わなけりゃいけないところなんでしょうが、正直、(ホールアウトして)今は、もっと続くんじゃないのって感じです。自分にブレーキをかけないゴルフをしたら、どこまでいけるのか」。
この日のパッティングのように、カップに飛び込んでいくのなら、だれにも止められそうもない高みに上り詰めていくのかもしれない。
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