第1ラウンドに7アンダーパーの66でトップ発進した飯島早織は、第2ラウンドも順調にスコアを伸ばし、通算12アンダーパーとなって日本ジュニア選手権の初優勝に王手をかけた。10番ホールからのスタートで14番までの5ホールで3連続を含む4バーディを奪取したが、思いがけないバーディはひとつもなく、ショットではバーディをとりやすいラインになるように1打ずつ冷静にポジションに決め打ちしていく。それが狙い通りの結果ならストレートなラインのパッティングとなる、これを淡々と決めていった。
全てが青写真通りになることはない。パーオンしても複雑なラインであったり、予想以上にカップまでの距離が遠くなることもある。そ
の場合は、がむしゃらにカップインを狙うのではなく、確実に2パットでホールアウトして、ストレスなくそのホールを通過していく。飯島のスコアメイクには、そうした流れに乗れるような1打ごとの繋がりがある。それが、安定性ももたらしている。
後半にターンして6番(パー5)で5個目のバーディを決めた。そして迎えた8番ホールで今大会初ボギーを叩く。第2打を左にミスしてグリーン手前のラフに外した。いってみると予想以上にライが悪かった。さて、こういう場合は、どう考え、対処するのだろうか。
「ライが悪いので、ぴったり寄せられる状況ではありません。それを望むと、もっと危険を広げてしまうかもしれません。グリーンに乗せることが最優先で、次のパットで勝負できればいいし、勝負をしかけられないほどの距離や、ラインになってしまったら、ボギーを覚悟する。もちろん、パーパットも初めから狙わないということではなく、入らなかったときに“仕方ない”と割り切れるように最善を尽くして、結果を受け入れるということです。これもストレスにならないようにプレーする自分のゴルフスタイルなんです」
結果はボギー。でも、飯島は続く最終ホールとなる9番でバウンスバックを決めてホールアウトした。
さて、午前の前半のプレーに時間を戻してみよう。実は17番ホールで、今大会で最もドキッとするシーンがあった。第2打でカップ30センチほどにつけてバーディ確実と思われたが、飯島はこのバーディパットをはずした。「ちょっとスライスしそうなラインだったのでカップ内の左縁を狙って打ったのですが、ちょっと引っ掛けてしまって……」ボールはカップ縁をくるりと回って出ていってしまった。
「これは、ちょっとショックでした。まったくの想定外でしたからね。想定外の結果になると、それが大きなストレスになっていくんですよね。私はそれが嫌で、想定内に収まるようなゴルフを心がけているんです」。スコアカードにはパーである4という数字が書き込まれ、それを見ただけでは中身まではわからない。飯島は、そのストレスから解放されるまでに6ホールも費やさなければならなかった。最終ラウンドは、さらに細心の注意を払って、自分のゴルフを続けることになる。
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