鹿児島県の樟南高校を卒業した今春、強豪の大阪学院大学に進学した小窪都斗(大阪学院大学1年)。初の日本学生ゴルフ選手権で健闘を見せている。
練習ラウンドから「自分に合っているコースと感じています。得意というか、打ちやすいホールが多くて」と、大山ゴルフクラブには好印象を抱いていたという。しかし、蓋を開けてみれば、スコアの伸ばし合いとなった第1ラウンドは、よもやのパープレーに終わり33位タイと出遅れてしまった。しかし、第2ラウンドで67をマークして12位タイに順位を上げ、コースへの相性に自信を深めて迎えた第3ラウンド。幸先よく1番でバーディを決めると前半で4つスコアを伸ばして上位をうかがうが、
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迎えた14番。セカンドショットを「打ち急いでしまった」と2球連続でOB方向に打ち込んでしまう。その時、雷雲接近で競技が中断。「再開を待っている間は、2打目がOBなのかセーフなのかドキドキしていました」と、天に祈りながら1時間46分を過ごしていた。
そして、再開のサイレンが鳴り、2打目の着弾点に向かうと、最初のショットがセーフで事なきを得、「もう一度、気を引き締め直しました」と、このホールをパーでしのいだ。後半は17番の1バーディに終わったが、5バーディ・ノーボギーで連日の67でホールアウト。通算10アンダーパーは、同級生でこの日首位に立った小林匠と5打差の4位タイと初出場初優勝も狙える位置に順位を上げてきた。
それでも、小窪は冷静だ。「得意なコースだとは思っていますが、他の選手もスコアを伸ばすのは予想できていました。自分は、これぐらいのスコアが出せればいいかなと思っていました」と、浮足立つことはない。高校時代の小窪は、日本タイトルに絡むことが出来なかったが、大阪学院大学に進学し、「周りの先輩たちがすごい方ばかりで。自分も刺激を受けています。自分のレベルを上げてくれる環境にいることで、うまく行っていると思います」と自身の成長を感じている。昨年の日本ジュニアゴルフ選手権でも争ったライバルとも言える選手たちが今年本選手権に初出場しているが、「日本ジュニアで上位にいた選手たちに、この試合で勝てたら嬉しいです」とはいうものの、大阪学院大学勢の活躍が続く本選手権には「それは、先輩に任せたい」と冗談とも本気ともつかないコメントではぐらかす。
「日本ジュニアでは、2日目まで良い成績でも、最終ラウンドにスコアを崩すことが多かった。最終ラウンドにどれだけ良いスコアでプレーできるかが自分の課題なので、そこは頑張りたい」と、まずは自らの課題を克服することに集中するという小窪。その課題をクリアできた先には、まだ見たことのない世界が広がっているだろう。
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