最終ラウンドを1打リードでスタートした紀村勝也は朝から降り続く雨にスコアを伸ばせず少しずつ焦りをみせていた。迎えた8番。昨日よりもショットが荒れていたという紀村はショットを松林の中に入れてしまう。普段なら出すだけというところで前の組がスコアを伸ばしているという思いがあり、「あそこで無理をしてしまった。チャレンジしてみようという気になって失敗した。気持ちに余裕がなかったのかもしれない」と振り返るこのホールをトリプルボギーとし、次の9、10番でも連続ボギーと悪い流れが続いた。
気持ちを切り替え最後まで諦めず、1打1打丁寧にプレーすることを心掛けたという紀村は12番、14番、16番で3つのバー
ディを奪う。昨日から「このグリーンは狙ったところにさえ打てれば、入ってくれる」と相性の良さを語っていた紀村は、降り続いた雨でもコースコンディションはとても良く、チャンスにつけたところではしっかりと狙ったところに打ち、バーディを奪うことができたという。
後半は3バーディ・2ボギー・1ダブルボギーと耐え抜き、この日5オーバーパーでホールアウト。通算4オーバーパーで、見事本選手権デビュー戦で初の日本タイトルを獲得した。
「この歳になって初めて日本タイトルを獲ることができて感無量です」と喜びを語る。70歳以上の男子アマチュアゴルフファー日本一の栄冠を獲得した紀村に次の目標を聞くと、「この歳になると、いつゴルフができなくなるかわからないので、身体のケアをしながら5年、10年とこれからも競技人生を続けたい」と話し、来年の連覇に向けた戦いに意気込みをみせていた。
グランドシニアにデビューしたばかりの紀村のこれからの更なる活躍に期待したい。
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