ディフェンディングチャンピオンの水上晃男のスタートは、ピンチから始まった。出だしでパーオンを逃し、ラフからロブショットのアプローチを見せるも、下り傾斜の2メートルのフックラインと、入れ頃外し頃の距離に。このパットを慎重に沈めた水上は、「これでいけるかな」と確かな手応えを掴んだ。
正確なショットは佐賀クラシックゴルフ倶楽部の大きなグリーンを確実に捉え、バーディチャンスを作っていく。しかし、「微妙な傾斜があって読みきれず、難しい」と選手が口を揃えるグリーンに、水上もまた手を焼き、スコアをなかなか伸ばせないもどかしい展開に。それでも、「寄せにいった」というパッティングが決まった15番と17番(パー
3)でバーディを奪取し、前半を2アンダーパーで終える。
後半も1番(パー5)、2番で連続バーディを奪取した水上は、4番でこの日唯一の3パットのミスでボギーを喫したが、直後の5番(パー5)でバウンスバックを決めて、この日5バーディ・1ボギーの68でホールアウト。4アンダーパーで2位に3打差をつけて、連覇に向けて好スタート切った。それでも、水上の視線は「今日はバーディパットをたくさん打つことができたし、もう1つか2つは獲りたかった」と上を見つつ、「連覇は意識せずに1ホール、1ホールを大事にプレーしたい。明日もヤーデージブックとにらめっこしながら、攻め方を考えながらプレーしたい」と、隙を見せない。
日本シニアゴルフ選手権を「一番獲りたいタイトル」と公言する水上は、「難しい佐賀クラシックゴルフ倶楽部だからこそ、後続との差を広げておきたい。最後にプレッシャーがかかるからね」と、連覇に続く道のりをしっかり見通しているようだ。
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