豊島は、第1ラウンドのデジャブを見るかのようなスタートだった。
この日、ホールこそ10番と1番の違いはあれど、最初のティーショットを左に曲げ、ボギースタートとなった豊島。「今日も朝から前半はイマイチ。ずっと耐えてバーディが来るのを待っていました」と、前半はなかなかチャンスを活かすことができず13番ホールまでパーを積み重ねた。
迎えた14番、15番ホールでチャンスが到来。そして連続バーディを奪取。「昨日と一緒ですね。しかも次の16番は昨日と同じでボギー」と、良くも悪くも展開が酷似していた。
“勝ちたい試合”と話している豊島だからこそ、勝つために必要なことは理解している。
「このコースなの
でオーバーパーを打たなければ上位にいられる」と自分の戦略にブレが無いことをスコアで証明してみせた。
「今年のミッドアマは例年よりも若い選手が多い。だからこそベテラン勢は頑張らないといけないですね。最終ラウンドは朝から雨予報なので、正直どうなるかわからない」と決して気を緩めることもない。それこそが王者の風格なのかもしれない。
「雨が降れば飛距離のアドバンテージのない自分は、今日までアイアンで打てていたホールでも、ユーティリティやウッドを持つことになるかもしれない。雨が降ってくれたからベントグリーンのように硬さが緩むこともない。でも、全員条件は同じだから」と、王者にも不安要素はある。
「年齢的にもいつまでも勝てるわけではない。今回はこうして良い位置にいる以上、勝ち切らないといけない。もしかしたら来年以降、二度とチャンスがこないかもしれないから」これまでの経験と知識で“勝利”だけを目指す姿がある。
改めて最終ラウンドに向けて「明日はセカンドオナーになるでしょうから、若い選手たちにプレッシャーをかけて行きますよ」と力強く話した。
いよいよ前人未到の3連覇へ。最終組の熱い闘いに注目したい。
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