Championship News競技ニュース

石川遼、河本力、清水大成の3名が全米オープン本選出場資格を獲得

    第124回全米オープンゴルフ選手権最終予選は5月20日、滋賀県蒲生郡の日野ゴルフ倶楽部キングコースで34名の選手が出場し36ホール・ストロークプレーで行われ、通算9アンダーパーの首位タイで石川遼と河本力、1打差の3位タイ5名によるプレーオフを勝ち抜いた清水大成の3名が6月13日からアメリカ・ノースカロライナ州のパインハースト・リゾート&カントリークラブで行われる本選の出場資格を獲得した。前日からの雨も降り止み、気温22度と5月らしい絶好のコンディションでスタートした本最終予選。第1ラウンドを終えて首位に立ったのは7アンダーパーをマークした片岡尚之。1打差で平田憲聖、さらに1打差で大槻智春、木下稜介、スコット・ビンセント(ジンバブエ)が続いた。

    混戦を抜け出したのは、首位と4打差の6位タイにつけていた石川遼。10番ホールからスタートし、2ホール目の11番でボギーが先行した石川だったが、13番に続き15番から連続バーディで順位を上げると、後半は3バーディを奪取してこのラウンドを5アンダーパーとし、通算9アンダーパーで昨年に続いての本選出場を決めた。関西オープンゴルフ選手権では第1ラウンドに大きく出遅れたものの、決勝2日間はいずれもボギーフリーの65をマークして5位タイと好気配でこの日に臨んだ石川。最終予選からの本選出場は2年連続3度目と「これが得意みたいな」と苦笑い。初めてプレーする日野ゴルフ倶楽部キングコースで第1ラウンドは様子見といった安全第一のマネジメントで後半にしっかりとスコアを伸ばしてくるところは、さすがといったところ。「第2ラウンドの34ホール目と35ホール目で運が来てくれた」と振り返る場面は、7番ホール(パー5)。グリーンから70~80ヤードの距離にあるバンカーを越えた縁からのサードショットを1メートルにつけると、続く8番ホールでは11メートルの距離を決めて連続バーディを決めた。石川にとって通算8度目の全米オープンは「毎年、自分のゴルフ感をアップデートできる機会。PGAツアーの選手が実際にどういうふうに見えるのか、どういうコースでどういうスコアを出しているかなど、肌感覚をアップデートできる」大切な場。「去年の全米オープンでも収穫があり、今日まで活きていますし、活かし続けています。全米オープンの経験でここをもっと高めていけばチャンスがあるんじゃないかと、毎日毎日やっている」と思いは強い。「今年もすごく楽しみ」と、充実した笑顔を見せて、今年も世界トップレベルの選手の心技体が試される舞台へと思いを馳せていた。

    その石川を凌ぐプレーを見せたのが首位と6打差の11位タイで第2ラウンドをスタートした河本力。11番から連続バーディを奪取すると、14番でもバーディ。15番で第2ラウンド唯一のボギーを喫したがバウンスバックを決めて前半で3つスコアを伸ばして上位に浮上。後半も2番、6番で通過圏内に顔をのぞかせると、8、9番の連続バーディフィニッシュで7アンダーパーを叩き出し、12人抜きの会心のプレーで石川とともに全米オープン本選の切符を手に入れた。今シーズンは、これまで5戦で予選通過が2度。ベスト10フィニッシュは無く苦戦のスタートとなった河本。不調の原因は、パッティング。昨年から調子が悪いと自覚しているが、「少しずつ良くなってきた」と復調も感じている。しかし、今日も2ラウンド目の7番ホールで「60センチのイージーなバーディパットを外した」と完全復活には道半ばだという。「やってはいけないミスをして、メンタル的な部分で変なことを考えてしまって、悪循環で自滅しちゃっていた」と、弱気な自分も顔を出したそうだが、最終ホールで5メートルのバーディパットを沈めて、首位タイ通過を決めた。「通算9アンダーパーならプレーオフには残れるかもしれないから、諦めずにやろう」と、強気を取り戻しての締めくくりに笑顔が弾ける。「全米オープンは、めっちゃ楽しみ。昔からそこで戦って優勝したいという目標があるけれど、その舞台に立ったことがなくて。出場できるということにワクワクが強い感じ。レベルは高いのはわかっているし、そのなかでどれだけやれるのはわからないけれど、出るからには優勝を目指したい」と決意を語る。日本選手屈指の飛距離を誇る期待の河本が初の全米オープンで爪痕を残すことができるか。

    本選出場の残り1枠は、通算8アンダーパーで3位タイに並んだ片岡、清水大成、平田、ビンセント、木下の5名によるプレーオフに持ち込まれた。1ホール目の10番でビンセントがボギーを叩いて脱落すると、2ホール目(15番ホール)で清水がバーディを奪取。片岡と木下がパー、平田がボギーを叩き、清水が最後の枠を勝ち取った。前週の関西オープンゴルフ選手権で最終ラウンドを首位でスタートした清水は、優勝の幡地に4打差の3位と悔しい結果に終わった。正直なところ、昨日までの優勝争いの疲れが残っていたという清水。昨夜は、ベッドに入ってから1時間30分ほど関西オープン最終ラウンドのプレーを見て反省をしてから寝入った。すっきりしてから眠ったとは言いながら、普段よりは眠りが浅かったようで、「起床してからもしばらくは眠いなと。アップをしながら、ようやく最終予選に気持ちが切り替わったというか、疲れで頭が回っていない感じ」でプレーした第1ラウンドは、「正直覚えていないくらいの疲れ」で、3アンダーパーの7位タイと思うようにスコアが伸ばせなかった。しかし、このスコアに奮起したのか、第2ラウンドは5バーディを奪取。36ホールでボギーフリーと安定したプレーで3位タイに順位を上げて、プレーオフの5名に名を連ね、2ホール目で残り120ヤードをウェッジで2メートルにつけて、ただ一人バーディを決めて、全米オープン本選のゴールデンチケットを手に入れた。「先週の優勝争いが良い経験になったのかな。気持ちの問題というか、緊張した場面での経験とか」と、負けてこそ手にした経験を早速活かすことができた。世界屈指の厳しいコースセッティングで選手を迎える全米オープン。「パインハーストは、めちゃくちゃ難しそうなイメージ。自分の飛距離が世界でどれぐらいの位置にいるのか。ショートゲームがどれだけ通用するか」また一人、若武者が海を渡って自らの現在地を確かめに世界最高峰の舞台に臨む。

    おすすめ記事

    新着記事

    • ハンディキャップインデックス査定システム J-sysとは
    • JGA個人会員募集
    • 世界アマチュアゴルフランキング
    • JGA主催オープン競技ロゴダウンロード
    • クリーンなスポーツを守るアンチ・ドーピング JADA
    • アスリートの盗撮・写真・動画の悪用、悪質なSNS投稿は卑劣な行動です。
    • JOCオリンピック選手強化寄付プログラム
    • 日本ゴルフサミット会議
    • 経済構造実態調査