ポルトガルのVidago GCで開催されたアジア太平洋選抜とヨーロッパ選抜のマッチ対抗戦。女子の「ハンキンストロフィー」はアジア太平洋選抜が17ポイントを獲得し、ヨーロッパ選抜に2ポイントをつけて第1回大会を制した。男子の「ボナラックトロフィー」は21.5ポイントを獲得したヨーロッパ選抜が、アジア太平洋選抜に11ポイントの大差をつけて大会7勝目を5連覇で華を添えた。
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日没サスペンデッドとなった第2日を終えて、女子の「ハンキンストロフィー」はアジア太平洋選抜が1ポイント、男子の「ボナラックトロフィー」はヨーロッパ選抜が7ポイントのリードを奪って、第3日の全選手による18ホール・マッチプレーを迎えた。第1回大会となる「ハンキンストロフィー」優勝に王手をかけたアジア太平洋選抜は、第1、第2マッチを落としてヨーロッパ選抜に逆転を許したが、第3マッチに出場した新垣比菜がValenzuela,Albane(スイス)を2upで下して試合の流れを取り戻すと、アジア太平洋選抜が4勝3分けと総ポイントでヨーロッパ選抜を1ポイントリード。勝敗の行方は、殿を務めた畑岡奈紗とSobron Galmes,Luna(スペイン)との第12マッチに委ねられた。最終マッチは、畑岡がSobron Galmes,Lunaを3and2で退け、アジア太平洋選抜が17ポイントを獲得。ヨーロッパ選抜に2ポイント差で、栄えある第1回大会の勝利を収めた。
「ハンキンストロフィー」で畑岡と新垣は、ともに3勝1敗1分けとアジア太平洋選抜の優勝に大きく貢献。畑岡は、「チームの雰囲気が良く、みんなでワイワイと楽しかったです。自分の調子はあまり良くなかったのですが、上手くまとめることが出来ました。第1回目の大会でアジア太平洋選抜が勝てて、チームメイトと一緒に喜ぶことが出来て本当に良かった。普段はライバルの人たちと今回はチームを組んで、慣れるのに大変でしたが、いい勉強になりました。チームの勝利に貢献が出来て、嬉しいです」と喜びを爆発させた。
新垣も「とても楽しい1週間でした。自分の出来としては60%ぐらいでしたが、チームが勝って本当にうれしいです」と、第1回大会優勝を喜ぶ。実は、「マッチプレーは、あまり得意ではないのです」と不安を抱えての出場だったが、「今回は同い年の畑岡さんと一緒だったので、心強かった」と日本からともにチームメンバーとして本大会に臨んだ畑岡の存在の大きさを明かす。「3勝できて、チームの勝利に多少貢献できたので、満足しています。みんなでトロフィーをもらって写真をたくさん撮ってもらって、良い思い出が出来ました」と畑岡とともにこれから世界を目指す新垣にとっても大きな刺激を受けた大会を振り返った。
一方の「ボナラックトロフィー」はヨーロッパ選抜が第2日を終えて7ポイントのリード。アジア太平洋選抜は第3日のシングルス・マッチプレーで8勝以上が優勝の条件と瀬戸際に追い込まれてしまう。逆転を信じてスタートした第3日。アジア太平洋選抜は、初戦を落としたものの第2マッチで勝利。第3マッチには金谷拓実が出場した。Forrest,Grant(スコットランド)と対戦した金谷は、5and4とForrest,Grantにつけ入る隙を与えず勝利を収めて、チームに勢いをもたらし、続く第4マッチもアジア太平洋選抜が勝利。しかし、ここからヨーロッパ選抜が地力の差を見せる。連続で5マッチで勝利し、優勝を確実なものにすると、第10マッチに出場した石徳俊樹もHume,Jack(アイルランド)に6and5と大差で負けを喫してしまった。結局、ヨーロッパ選抜は第3日で8勝を挙げ、21.5ポイントで試合を終え、アジア太平洋選抜に11ポイント差で大会7勝目を挙げた。
日本アマチャンピオンの称号を背負って本大会に出場し、2勝2敗に終わった金谷は、「自分の調子は最初は良くなかったのですが、日に日に良くなってきました。やはりフォアサムが難しかったです。自分のミスの許容範囲とパートナーのそれとの感覚のズレが埋められませんでした」と大差をつけられた第2日までを振り返る。それでも、「第3日はかなり気合を入れて挑みました。キャプテンからも“チームの結果は気にせずに、とにかく自分の目の前の相手を倒してこい”と発破をかけられたので、勝てて良かった。大会の雰囲気も良くて、チームは負けてしまいましたが、とても良い経験が出来ました」と悔しさの中にも充実した表情で大会を振り返った。
一方の石徳は1勝3敗に終わった本大会を「チームに貢献できなくて、とても悔しい」と伏し目がちに総括した。昨年のニュージーランドストロークプレー選手権を制した原動力の「パッティングも決まらず、それが小技にも悪い影響となって出てしまった」と力を出せきれずに終わった悔しさをにじませる。特に反省したのは、ヨーロッパ選抜とのフォアサムの経験差。「1つの球を交互に打っていくタイミング、パートナーとのコミュニケーションが本当に難しかった」と、昨年の日韓親善ゴルフ対抗戦でも苦汁をなめたフォアサムを攻略できずに終わったことを悔やんでいた。
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