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【個人戦トップの蝉川の活躍とチームワークが光った関西チーム】

3チームが5オーバーパーで首位タイに並ぶ大混戦の幕開けとなった8地区強化指定選手チーム選手権。その中で、光ったのは個人戦首位に立つ活躍を見せた蝉川泰果を擁する関西チーム。蝉川は、昨年の日本ジュニア男子12~14歳の部で2位タイ、今年は男子15~17歳の部で3位タイと2年連続で優勝争いを演じ、最新の日本アマチュアゴルフランキング23位で同チーム最上位の実力をいかんなく見せつけるプレーだった。前半は「ティーショットが右にも左にも曲がって…」と荒れるショットに苦しみながら必死にパーをセーブする粘りのプレーで2ボギーで凌いだものの、ショットは復調せず、14番では、ティーショットを左の林に打ち込むトラブ ル。2打目は、狙い通りユーティリティーで枝の下を抜いて見せたが、グリーン手前バンカーに入ってしまいこの日3つ目のボギーを喫してしまう。

直後の15番。ようやくティーショットでフェアウェイを捉えた蝉川は、残り143ヤードのセカンドショットを9番アイアンでピンを刺し、2.5メートルに。久しぶりのチャンスにじっくりとラインを読んだ蝉川は、「ホール1つ分のフックライン」を見事に沈めて、バウンスバックを決めて、流れを掴む。続く16番では、115ヤードの2打目をピッチングウェッジで5メートルにつける。最終18番(パー5)では、3番ウッドで放った2打目をグリーン手前40ヤード地点に運んで、アプローチを3メートルに寄せてバーディフィニッシュ。最終盤の4ホールで3バーディを奪取する見事なカンバックで、3バーディ・3ボギーのイーブンパーで個人戦2位タイグループに2打差をつけて、関西チーム首位タイ発進の原動力になった。

会場のフェニックスCCはもちろん、テレビで憧れの眼差しで観戦を続けた憧れの舞台。「でも、テレビで見ていたコースは、実際にプレーしてみると、すごく狭く感じて。難しいです」と、苦笑い。「4つのパー5でバーディを奪って4アンダーパー」という目標を立ててスタートしたものの、イーブンパーに終わった第1ラウンドには不満も残るが、不安定なショットの中でピンチを耐え抜き、少ないチャンスをしっかりと沈めた勝負強さは、関西チーム首位タイスタートに値千金のプレーとなった。「個人戦で首位に立ちましたが、それはあまり気にせずに明日もプレーしたい」と落ち着いた口調で話す蝉川。明日ももちろん68を目標にする。「14番で練習ラウンドはダブルボギー。今日はボギーを叩いてしまった。1日ずつ1打ずつ良くなっているので、明日はパーが穫れると思う」とキーポイントに上げた14番を攻略して、目標を果たしたいところだ。

蝉川に続いてチームに貢献したのは、岩田大河。「緊張はしなかった」と2年連続の本チーム選手権出場に落ち着いた表情で1番ティーインググラウンドに姿を見せた岩田だったが、スタートホールのティーショットをいきなり左にミスした林に打ち込みボギー発進。その後もショットは荒れたが、必死のパーセーブで8番までスコアカード通りのパープレーで凌ぐ。9番はティーショットを右に曲げてボギーを喫したが、2オーバーパーで前半を終える。後半、11番(パー3)で7番アイアンのティーショットを左にミスして3オン・2パットのダブルボギー。13番では80ヤードの2打目がバックスピンで戻ってしまい3パットのボギー。それでも、その後は再びパーで凌いで、3ボギー・1ダブルボギーの5オーバーパーでホールアウト。「目標はイーブンパーでした」と狙い通りにはいかなかったが、チームに貢献できた安堵の表情も見せる。今日の不振の原因も、「いつもよりスウィングテンポが早くなっていました。そうなると、バックスウィングでしっかり体が捻転できなくて、ミスに繋がる」と自覚できている。「ホールアウト後の練習で、それに気がついて、もう一度テンポに気をつけてだいぶ良くなっています」と明日のラウンドに自信を覗かせる岩田。「後半最初の10番(パー5)でしっかりバーディを獲ること。それで波に乗って、1つでもアンダーパーでプレーしたい」昨年のチーム戦7位の悔しさを知るただ一人のメンバーとして、リベンジに燃えている。

チームメイトの岩田とは7日差ながら、チーム最年長の竹山昴成。出場チーム随一の結束力の高さが感じられる関西チームは、竹山がまとめている。「誰がキャプテンということは決めていません」と謙遜の笑顔を見せるが、蝉川と岩田が彼に送る視線には、強い信頼が伺える。その竹山だが、第1ラウンドは2ボギー・2ダブルボギーの78とスコアを崩して不採用スコアになってしまった。「まともにバーディを狙えるホールは、一つもありませんでした」と苦戦のラウンドを振り返る竹山。「フェニックスCCは、ティーショットの出来がスコアに直結するのに、それが右に曲がってしまって…」とショットの不調を悔やむ。8番のダブルボギーは、ティーショットをフェアウェイに運びながらディボット跡にはまり、12番のダブルボギーはティーショットが紛失球と不運もあったが、それを言い訳にはしない潔さも、チームメイトの信頼につながっているのだろう。ショットの不調は、「フォロースルーで左肘を抜いてしまっていたみたいです」と、ホールアウト後にチームを率いる土城委員から指摘を受けて、調整をすると、ショットもみるみるうちに回復。明日の巻き返しが楽しみなまでに復調してきた。「今日は流れを作るバーディが獲れなかった。明日は1つでもバーディを奪いたい」と、アンダーパーをマークして、プレーでもチームを牽引することを誓った。

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