手束雅、大西菜生、木内真衣の高校2年生の3人で本対抗戦のチームを編成した四国チーム。同学年のチームメイトの結束が第2ラウンドを終えて首位タイに食い込む躍進に繋がった。
1オーバーパーで個人戦3位タイにつけてこの日のプレーに臨んだ大西は出だしの1番ホールから9番まで「全ホールでパーオン。バーディも獲れたかもしれないホールもありましたから、我慢のゴルフでした」と集中力を切らさずにパーを積み重ねる。折り返しの10番(パー5)で迎えたピンチで、それまでの我慢が実を結ぶ。残り100ヤードの3打目は、グリーン方向に木があってスタイミー。「でも、枝の間を見ると、ほんの少しだけグリーンに打てる隙間を見つけることが出来た」と僅かな光明を見つけ出し、ウェッジで見事にその隙間に球を打ち出して3メートルにつけるスーパーショット。ピンチをチャンスに変えた大西はスライスラインのこのパットをねじ込み、この日初バーディを奪う。
しかし、大西はそれ以降も我慢を強いられる。12番で30ヤードのアプローチをミス、15番では3パットで2ボギーを叩き、1オーバーパーで迎えた最終ホール。フェアウェイからの残り100ヤードのセカンドショットは、またもウェッジで50センチとピンを刺す。大西はバーディフィニッシュで2バーディ・2ボギーのパープレーでチームに貢献するとともに、個人戦でも通算1オーバーパーは内田琴子(北海道)、山下美夢有(関西)と並んで首位タイと順位を上げた。「今日は安定したショットが打てて、ボギーも少なく出来ました。でも、バーディチャンスを逃したのが悔しい」と、心からの笑顔は見られない。「得意にしているドライバーショットは、2日間通じて悪くないと思います。ただアイアンショットで少しミスが出ているので、アンダーパーまでたどり着けない」と課題も明確な大西。「明日は、バーディパットを狙いやすいポジションにつけられるように、アイアンの正確性を求めたい」と更に高みを狙う。
大西都ともにパープレーでホールアウトして、チームに貢献したのは手束雅。手束は2、3番で1.5メートルを決めきれず連続ボギーと不穏なスタートとなったが、「まだ出だしなので、盛り返そう」と気持ちを切らさずにホールを進める。7番(パー5)でバーディ、9番では3メートルの下りフックラインを読み切って前半で思い通りにイーブンパーに戻してみせる。後半も13番でアプローチを寄せきれずボギーが先行したが、16番(パー5)では2打目を池の手前にレイアップするマネジメントが奏功し、60ヤードのサードショットを2メートルにつけてバーディを奪い返す。手束は、その後も冷静なプレーでパーセーブを続けてみせた。「第1ラウンドはバーディを1つも獲れなくて。今日は3バーディが獲れたし、最低限の目標にしていたパープレーで終えられて良かったです」と胸をなでおろす。この2日間は、「ティーショットの調子が良くて、ラフに打ち込んでいない。2打目も無理はしていないのが好スコアにつながっているのかも。アプローチでミスをしているホールがボギーにつながっています」と、クールに自己分析をする。「今日の3バーディは大きいと思う」と話した語り口には、手束の心の裡の熱さを感じさせた。「チームメイトの2人とは、仲も良いですし、チームワークもいいです」と笑顔を見せる手束が気になるのは、2日間とも不採用スコアに終わっている木内。「木内さんは、得意のパッティングが決まっていないだけで、明日は爆発してくれると思います」と、全幅の信頼をおいている。明日の最終ラウンドでは、3人揃って18番グリーンで勝利の喜びを分かち合いたいと思っていることだろう。
その木内は、確かに「パットが入りませんね」とチームに貢献できていない苦しさを吐露する。「2日間、チームに貢献できていないので、明日こそアンダーパーで」という言葉には、悲壮感すら感じさせる。「ショットは決して悪くないです。バーディチャンスにもつけられているので、明日もショットでチャンスをたくさん作れれば。明日は3アンダーパーは出したい」と、四国チームの初優勝に明日こそ自分が原動力になることを誓っていた。
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