高校3年生の青山晃大、高校1年生の杉浦悠汰、中学生の湯原光の3人でチームを編成し、本対抗戦に臨んだのは、中部チーム。第1ラウンドは4位タイながら首位の北海道と8打の大差をつけられ悔しい1日となってしまった。捲土重来を期してスタートした第2ラウンド。躍動したのは、チーム最年少の湯原だった。
湯原の最初のバーディは2ホール目の11番(パー3)161ヤードを6番アイアンで「軽くおさえた」ショットで4メートルにつけてスライスラインをねじ込んだ。13番では1メートルのパーパットを決めきれずボギーを叩くなど「ピンチはあった」前半を得意のショートゲームで凌ぎきり、パープレーにスコアをまとめて後半に入る。
3番では165ヤードの2打目に5番アイアンを手にして、コントロールショットで「手応えがあった」とピンに絡めて5メートルにつけてバーディ。7番(パー5)は115ヤードのサードショットをピッチングウェッジで2.5メートルにつけてみせた。湯原は3バーディ・1ボギーの安定したプレーで第2ラウンドのベストスコアタイとなる2アンダーパーでホールアウト。「ドライバーショットは245ヤードぐらいで距離が出ないので、ショートゲームでゴルフを組み立てるのが自分のプレースタイル」という湯原の真骨頂が現れたプレーは見事に尽きる。目標にしている藤田寛之のように球筋を自由に操り、ショートゲームでスコアメイクする姿は、中学生らしからぬ空恐ろしささえ感じさせる。「明日も1打1打にしっかり集中して、アンダーパーでプレーしたい」という語り口も、プレー同様に頭の良さを感じさせる湯原。「自分が対抗戦のメンバーに選ばれたことには驚いています」と笑顔を見せた時だけは、中学生らしい幼さの残る表情を見せた。首位を走る北海道チームとは4打差。中部チームの逆転初優勝に中学生が台風の目になれるだろうか。明日の湯原のプレーに注目だ。
杉浦悠汰は、粘りのプレーが光る1日だった。16番(パー5)では、2オンを狙ったショットがグリーン右のバンカーのさらに右へのミス。アプローチは、「ベアグランドのような状態で、グリーンはピンまで下り傾斜」というボギーのピンチ。しかし、このアプローチをタップインの距離まで寄せたショートゲームの冴えでバーディにつなげてみせる。3番はティーショットを右の林に打ち込みボギーを喫したが、6番で150ヤードのセカンドショットを8番アイアンでピンを刺し、1,5メートルにつけてスコアをイーブンパーに戻してホールアウト。杉浦はチーム戦2位浮上に貢献したものの、「今日はアンダーパーを出せるプレーでした。アイアンの調子が良かったのに、パットを決めきれなくて…」と臍を噛む。昨年の対抗戦にも出場した杉浦は、7位に終わった悔しさを忘れていない。「この差なら優勝は狙えると思います。自分がアンダーパーを出して逆転して、リベンジしたい」その強い気持ちを現実のものとするためには、得意とするアイアンショットでバーディを量産することが必要不可欠。そのために「杉林で狭いこのコースはティーショットが鍵を握る」と逆転優勝へのキーポイントも掴んでいる。
チーム最年長の青山は、2日間チームに貢献できていない自分を「チームをまとめるとか…自分がスコアを出していないので、なにもしていないです」と苦笑い。第2ラウンドも16番でイーグルを奪いながら、その後は1バーディ・6ボギー・1ダブルボギーと乱調で「残り8ホールで6つスコアを落としてしまって…冷静にプレーができなかった」と自嘲気味に語る。しかし、「自分の調子は決して悪くはないです。アイアンもパッティングも調子は良いと思います」と手応えがないわけではない。「ただ…ティーショット。それだけでスコアが出せていない」とため息をつく。逆転優勝がかかる最終ラウンドは、「攻めつつ守りつつ。確実にアンダーパーでホールアウトできるようなプレーがしたい」と焦らず動じず、泰然自若に臨むつもりだ。そのプレーで、チームのキャプテンとしての存在感を示して欲しい。
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