首位タイに並んだ第2ラウンドを終えた夜、四国チーム(木内真衣・手束雅・大西菜生)は、3人で「絶対に優勝しよう」と勝利を誓いあったという。その強い気持ちと結束が、最終ラウンドのプレーに現れた。
最終組でプレーした大西は、前半の13番でボギーを叩くと15番では2打目をグリーン右サイドに外してしまう。このアプローチは1.5メートルに寄せたものの、ここからまさかの3パットのミスでダブルボギーを喫し、前半で3つスコアを落としてしまった。「同じ組の3人のスコアが競っているのはわかっていました」と混沌とした優勝争いの中でも彼我の差を掴んでいたが、後半は「もう3人のプレーやスコアは気にせず、自分のプレーに集中した」ことが奏功する。5番でボギーが先行したものの、6番で130ヤードの2打目を9番アイアンで1.5メートルにつけてバウンスバックすると、7番で3.5メートル、8番では8メートルをねじ込んで3連続バーディ。スコアを1オーバーパーに戻して四国チーム優勝の立役者となった。「今日はショートゲームのできが良かった」と殊勲の活躍を見せた最終ラウンドのプレーを振り返る大西。個人戦優勝も手にして、来年3月にはオーストラリアで開催される競技に派遣されることも決まった。「海外に行くのは初めて。日本とは全く違う環境やコースでプレーできることを楽しみにしています」と、笑顔が弾けていた。
この日3オーバーパーにスコアをまとめた手束。スタートの10番でボギーが先行すると16番もボギー。「この2つのボギーはティーショットを右の林に打ち込んで、2打目は出すだけ。仕方ないボギーだった」とすぐに気持ちを切り替えて、18番でバーディを奪い、前半を1オーバーパーで凌ぐ。後半もボギーが先行する苦しい流れだったが、最後まで粘りのプレーでチームに貢献した。「四国チームが優勝できたことは、本当に嬉しいですし、チームメイトの大西さんが個人優勝したことは尊敬します」と、表情をほころばせた。
3日間、不採用スコアに終わった木内は、「3アンダーパーを目指す」とスタートしていった最終ラウンドも苦しいゴルフになってしまった。前半は12番のバーディで35と1アンダーパーで思惑通りのプレーを見せていたが、一転後半はボギーが続いてしまう。それでも3つのボギーで凌いでいた木内に悪夢が襲ったのは最終9番。「ティーショットを右に曲げてしまってラフに打ち込んでしました。絶対にパーをセーブしてチームに貢献したいと思っていたのですが、その後、池に打ち込んだり…」とまさかのトリプルボギーを叩いてしまった。苦しみぬいた3日間を終え、「全然チームに貢献出来なくて、申し訳ない気持ちだけです」と肩を落とす木内。それでも3人で掴み取った胸にかけられたメダルとともに記念撮影に収まるときには、笑顔を見せてくれた。
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