一番確実で、寄せやすいところといったら、あのバンカーしかなかったんだよ
さて、グリーン右端に近く、バンカー越えにピンが立っている状況で、右サイドは危険ゾーン。青木型なら、グリーンセンターを狙うと書いた。では、勇者のゴルフ型だったら、どうするだろう。勇者のゴルフを尾崎型と置き換えたい。 「この状況だったら、ほとんどの選手はピンを狙ってこない。パーでよしとする安全策をとるはず。だったら差をつけるチャンスだ。高いキャリーボールでピンを真上から狙ってやる。最高のショットの見せ場だ」 これが、尾崎型の思考で、最高の結果だけをイメージして1打に集中する。ミスしたら…とは、考えない。結果的にミスしたら、それはまた次のショットでベストを尽くせばいい。常に最高のパフォーマンスを意識し、実践していく。 勇者のゴルフである。
石川のゴルフは、冒険と可能性への挑戦
勇者のゴルフ志向が強い若い世代の選手たち
藤田、谷口といった40代にはいったベテラン、片山、宮本、横尾要ら30代の年齢的には中堅にあたる選手たちは、経験に培われた危機察知能力がある。それが賢者のゴルフの一方の支えになっている。ゴルフの怖さを知った上で、そこに自らを陥らさないようにする綿密な戦略と高い技術が、もう一つの支えであることはいうまでもない。
勇者のゴルフか、賢者のゴルフか。今大会の勝者は、どちらのプレースタイルから生まれるのか。