Championship Reports競技報告
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第1、第2ラウンドとも5バーディ・1ボギーの68でプレー。通算8アンダーパーでトップと2打差の2位タイにつけて第3ラウンドを迎える徳永歩。その徳永のゴルフを象徴する出来事が第2ラウンドのスタートホールで起こった。
10番(パー5)、第3打のアプローチショットを酷くダフってしまい、ボールはグリーン左のガードバンカーへ。「しかもそれが、ならしてない足跡の中にあったんです」なんともアンラッキーで、結果的にこのホールはボギーとなるが、彼女は「全然引きずらなかったですね」と笑顔で振り返る。
今日までの2日間、キャディは父親が務めた。父親はゴルフをまったくプレーしないが、彼女が子どもの頃から、ラウンド中の気持ちの持ちようやコースマネジメントの頼れる指導者という。「父が、このホールはボギーで行こうと言ってくれたので、最初からそう割り切ることができました。それで打ったバンカーショットがけっこう上手いこといって、ダブルボギーにならなかったので、“ラッキー“という感じでした」。
その後はバーディを5つ重ねるが、最終の9番(パー4)で9番アイアンの第2打がピンそば1ヤードについた以外は、やや長いパットやアプローチパットが決まってのバーディ。この2日間は、「ショットは、ドライバーからウェッジまでみんな良くて、ピンに絡むホールが多かったんですけど、ショートパットが入らなかった。(代わりに)ロングパットは入ったのですが、ショートパットを決めてもう少しスコアを伸ばしたかったですね」。
ショットの好調さは、高校を卒業し、この春から飛び込んだ環境による。徳永は実業団のゴルフ部に所属し、現在は同社系列のゴルフ場「蒲生ゴルフ倶楽部」(滋賀県)で寮生活をしながら、ゴルフ場の仕事と練習に明け暮れている。「もともとアイアンは得意だったんですけど、芝の上から練習できるので、さらに良くなりました」そのショットの精度をスコアに結実させるのが、キャディの父親とともに練ってきたコースマネジメントだ。
まず、我孫子ゴルフ倶楽部はフェアウェイバンカーに入れてしまえば、バーディはノーチャンスと考え、「フェアウェイバンカーよりは、反対サイドのラフ」とマネジメント。狙い通り、フェアウェイバンカーにはまだつかまっていない。また、「グリーンの傾斜が強いので、セカンドショットでつける位置を考えて、乗ったあともライン読みをしっかりすること」に集中しているという。この2日間はショートパットに苦戦しているようだが、磨いてきたショットの精度とコースマネジメントに確固とした手ごたえを感じているのだろう。
「最近、ゴルフが楽しい。日本女子アマでこんな位置(順位)にいるのは初めてなんですけど、“優勝”って思い過ぎずに、この2日間と同じようにリラックスして回りたいです」と明日以降の気構えを口にする。実は、この2日間を支えた父親が「疲れた」ということで、キャディの役をリタイアする。第3ラウンドからは別の人がバッグを担ぐのだが、徳永に不安はまったく感じられない。彼女にとっては、一段と成長する良い機会かも知れない。
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