Championship Reports競技報告
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開幕前日の6月24日は中島啓太の誕生日。鈴木隆太にとって中島は単なる大学の先輩に留まらない尊敬するゴルファーであり、追いかけなくてはならない存在だ。そんな偉大な先輩から昨晩、「日本アマに勝て」とエールが送られた。
この日の鈴木は1イーグル・6バーディ・1ボギーの63。先輩のエールに応えるかのように2位以下に3打差をつける最高のスタートを切った。「今日は運も良かったですし、とにかくショットがついてくれたので、いいゴルフができたと思います」。
スタートホールから存分に持ち味を発揮した。351ヤードの10番ホール(パー4)のセカンドショットは残り30ヤード。これを5メートルにつけて、バーディを奪取。続く11番もバーディとした後の12番(パー5)では、601ヤードを2オンさせて会心のイーグルを奪った。
飛距離を活かした盤石のゴルフを展開した鈴木だが、実は10番から18番ホールは練習ラウンドをしておらず、コースを知らないままのぶっつけ本番だった。
「一昨日くらいから体調が悪くて、それで練習ラウンドはハーフだけでした。知らないのが逆に良かったのかもしれません。10番ホールからは全部ドライバーで打ちましたが、明日はもう少し違った攻め方をすると思います。結構、見えないところにOBがあったので」。
鬼門は2日目と言うことを鈴木本人が一番自覚している。
昨年の日本アマチュアゴルフ選手権では第1ラウンドで首位タイに立ちながら、第2ラウンドは73とスコアを落とし後退。最終的には10位で大会を終えた。また、今年のABEMAツアーのLANDIC CHALLENGE11でも6位タイにつけながら、2日目に叩いてしまいあえなく予選落ちに終わっている。「もちろん緊張もあると思いますが、(2日目に)何か抜けちゃうんです。攻める気持ちが抜けるというか、守り過ぎてパットが入らなくなったり。ちゃんとバーディを獲りにいくゴルフをやらなければいけないと思っています」。
試合になると普段よりも飛距離が出るという鈴木。それがわかっているからこそ、本人の中に何かをセーブしなければならない意識が働くのかもしれない。逃げるのではなく、安全に攻める。この気持ちを忘れずに、残り3日間は冷静にマネジメントしながら攻めたいと言う。最後の日本アマチュアゴルフ選手権で最高の結果を中島啓太に報告するには、まずは明日の2日目を乗り越える必要がある。
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