Championship Reports競技報告

3打差5位タイに浮上した竹原佳吾が優勝を渇望する2つの理由

写真:Y.Watanabe / S.Osawa

昨年大会、竹原佳吾は中野麟太朗がプレオーフ3ホール目でバーディパットを沈めて優勝を決めた瞬間をキャディとして見つめていた。激戦を勝ち抜いて日本一の称号を勝ち取ったチームメイトは眩しくもあり、嬉しくもあった。しかし、竹原の心の裡では悔しさもあったという。「中野選手が優勝して、嬉しくも悔しさもありました。チーム全員が、次は自分がという気持ちになってモチベーションが上がり、ゴルフ部員全員にやる気が漲っています」と、この1年で必死の練習を積み重ねてきたという。その結果が、ゴルフ部としては全国大学ゴルフ対抗戦での初優勝に結びつき、竹原自身では3度目の日本アマチュアゴルフ選手権出場で、初の後半のラウンド進出という結果となって現れている。

第2ラウンドを終えて通算1アンダーパー。首位の山下とは6打差の8位タイでムービングデーをスタートした竹原。「首位との差はあったので、スコアを伸ばしたいという気持ちもありましたが、その反面、オーバーパーにすると順位を落としてしまうので、パーを取りつつしぶとく耐えて、チャンスを待つ」と、日本を代表するコースである廣野ゴルフ倶楽部とこの日のホールロケーションを見て決意を固めたという。このプレースタイルは、竹原の“ボギーを少なくアンダーパーを出す”自らの持ち味と言えるものだった。それでも、「第2ラウンドよりもショットが良くなくて。特に前半はフェアウェイキープが出来ないホールも多くてパーオンを逃す場面もありました」と、覚悟の上であっても厳しい状況の中にあった彼を救ったのは、パッティングだった。

前半の3つのバーディは、4番が9メートル、5番が5メートル、7番が6メートルの距離。2ボギーを叩いたが、言葉の通りの粘りのプレーで1つスコアを伸ばすと、後半も13番で7メートルを決めてみせた。15番(パー5)は100ヤードの3打目がピンを刺して、ショット力でバーディをもぎ取った。終わってみれば、5バーディ・2ボギーの67。通算4アンダーパーにスコアを伸ばした竹原は、首位と3打差の5位に順位を上げて、明日の最終ラウンドに臨む。

「去年の悔しい思いを明日晴らせるように。チャレンジャー精神を忘れずに、上だけを見てプレーしたい」と意気込む竹原。しかし、今年の日本アマで優勝したい気持ちは、悔しさを晴らすためだけではない。ゴルフを始めたきっかけを作ってくれた父親は、本選手権9回出場の実力者。来年大会は、その父が所属する横浜カントリークラブ・西コースでの開催が決定している。「日本アマの親子出場は、まだ出来ていなくて。横浜カントリークラブで初めての親子出場をしたい」といたずらっぽく笑う竹原。50歳を超えた父の目標は、来年の関東アマチュアゴルフ選手権を勝ち抜いての本選手権出場だろう。ディフェンディングチャンピオンとして父と同じ舞台に立てることが出来れば、最高の親孝行になることは間違いない。昨年大会のリベンジと夢の実現。その思いが明日のプレーに、そして逆転につながるか。

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