Championship Reports競技報告
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「最高に気持ち良かったです。暑かったし(笑)」。ウイニングパットを沈めた田村軍馬(東北福祉大学2年)は両手を広げて、プレーを見守っていた東北福祉大学ゴルフ部のチームメイトの元へ飛び込んだ。そして全身にウォーターシャワーを浴びた。「ただただ嬉しいです」と、びしょ濡れの田村は喜びを語った。
最終ラウンド最終組を前に、昨夜はゆっくりと眠れたという。「でも、朝起きたら心拍数が上がっていて、緊張していましたね。でも、コースに着いたら不思議と落ち着いて。いつも通りプレーすればいけるかなと思えました」と、4番から3連続バーディを決め、通算19アンダーパーまでスコアを伸ばす。2位と3打差をつけてハーフターンし、11番でもバーディを奪って、通算20アンダーパーに。このまま独走かと思いきや、次の12番、14番、15番をボギーとし、ついに2位だった同組の三宅琉心(大阪学院大学2年)と通算17アンダーパーで並んでしまう。
「自分が打ち急いでるなって感じて。茶店で休憩を取りながら、心を落ち着かせて冷静になろうと心がけました」と、勝負の16番ホール(パー5)を迎えた。「第2、3ラウンドとバーディがなかったけれど、ティーショットでフェアウェイをキープできてバーディを取れたのが大きかった」と、このホールをパーとした三宅に1打リード。次の17番は田村と三宅ともにパーとするが、田村の一つ前の組の志村由羅(東北福祉大学1年)が16番、17番で連続バーディを奪って、三宅と同じく1打差の2位タイと猛追していた。
そして迎えた18番、打ち下ろしのパー5。「4日間ずっとプレー中は自分の順位を把握していなかったけれど、18番のティーで初めて確認しました。志村選手のティーショットが良さそうなのは分かって、一瞬ティーショットで何を使おうか迷いましたが、刻んだ方がミスショットになると思って。ドライバーで思い切って振り切ることを選択しました」。田村が放った勝負のドライバーショットは、その狙い通りにフェアウェイ中央をキープ。一打を追う三宅は右のラフへ。そして、グリーン上では志村がイーグルパットを外してバーディを奪い、この時点で田村と並ぶ。
「セカンド地点から歓声が聞こえて、志村選手がバーディを獲ったのは分かりました」それでも田村は冷静だった。「セカンドショットはつま先上がりであまり良いライではなかったけれど、2オンできて。バーディが獲れて良かったです」。最終18番をバーディでホールアウトし、志村と1打差を死守し、今年の学生日本一の座を射止めた。
最後に「次の目標は日本オープンの最終予選を突破して日本オープンに出場したいです。プロのトーナメントにも出場したことがないので、もっと上のレベルで戦えるようになりたいです」と眩しい笑顔で語った田村。
2019年、中学3年の時に四国ジュニアで優勝などジュニア時代から四国では知られた存在だったが、ようやくその実力が全国レベルへと開花した。もはやダークホースではない。これからは本命の一人として田村の活躍が期待されるだろう。
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