ジュニアゴルファーの勧誘策の中でスカンディア・ジュニア・クラブは大きな成果を上げている。夏祭りや冬祭り、スキー場などを3台のヴァンが巡回。移動ドライビングレンジとスナッグゴルフを積み、そこに集まる子供達にゴルフ体験を提供している。スナッグゴルフとは、主にゴルフ初心者のために開発されたもの。ゲーム感覚でゴルフの基礎を学ぶことができる道具である。さらにヴァンにはプロのリーダーが乗り込み、ボランティアではないアシスタント15名から20名とともに指導に当たる。
スナッグゴルフは別のジュニアプログラムでも大活躍である。ジャングルゴルフと名づけられた室内でのミニゴルフがそれだが、子供達の間でとても人気が高い。ミニゴルフや室内ゴルフを軽視する傾向を感じるが、ジュニアプログラムにおいては、特に再評価が必要であると思う。
またスウェーデンの子供達は無料でゴルフ練習場を使える環境を持つ。さらに週2回はプロが常駐し指導を受けることが可能である。この他ジュニア用の6ホールのゴルフ場が3カ所あり、ジュニアは無料でプレーすることができる。また初心者と身体障害者を対象にしたサマーキャンプも行っている。
ジュニアキットについても説明しなくてはならない。8本から10本のクラブにゴムボールとマット。さらに指導者用の使用説明書がついたセットをこれまでに2000セット配布している。特に体育教師の理解と協力が不可欠なので、このうち500セットは、直接先生達に会って手渡している。
こうしたジュニアプログラムを行うために、プロをアシストするアマチュアのトレーニング・アシスタントを養成している。彼らは地元のプロと一緒にナショナル・プログラムによって指導のための訓練を受けている。
この他に「RUFF」(将来の若者たちの楽しみというスウェーデン語の略)の委員によるゴルフ場の評価制度がある。メンバーは17歳から20歳の若者たちで構成されており、年1回、どれだけジュニアゴルファーに適したゴルフ場であるかの認定を各ゴルフ場に対して行うものだ。
例えばPGAのプロがいる。クラブハウスの食堂にジュニア用のメニューがある。ジュニア用のスタートタイムが押さえられている。ジュニアにフレンドリーな練習エリアを持っているなどの項目を委員たちがチェックし、70%以上をクリアしたゴルフ場に銀、90%を超える項目をクリアしたゴルフ場には金のディプロマが贈られる。もちろん、このディプロマ自体になんらかの特典はないが、もらえないとスウェーデンのゴルフ場としては、恥となる仕掛けになっている。 |