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2002 JULY vol.70 |
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過去10年でニュージランドのジュニアゴルファーは、約3倍に増え、全国で1万5000人に達している。その主な理由は以下の通り。 |
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(1) |
テレビによるゴルフ中継の増加。現在では毎日ゴルフ中継が行われている。 |
(2) |
マイケル・キャンベル、タイガー・ウッズなどの若いスター選手の出現。 |
(3) |
1987年創立のAMPニュージランド・ゴルフ協会が学校やゴルフ場を通じて子供にゴルフと接触する機会を多く作った。 |
(4) |
ゴルフ施設へのイージーなアクセス。 |
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以上の4点が挙げられる。
さて、我々はいくつかの効果的なプログラムを行っているが、成否の鍵を握るのは各ゴルフ場の姿勢である。ゴルフはゴルフ場がなくてはできないスポーツだからである。そしてゴルフ場には次代の主力ゴルファーとなるジュニアゴルファー育成プログラムを受け入れる社会的責任があり、それを各ゴルフ場が認識しているかどうかが大きなポイントであろう。
特に人任せなジュニアプログラムを歓迎するゴルフ場があるが、これでは社会的責任を果たしているとは言えない。そういうゴルフ場では一人の大人のメンバーが、グリーンが荒れるなどの文句を言ったら、その意見に負けて、ジュニアプログラムは葬りさられてしまうことが多い。
ジュニアプログラムは各ゴルフ場が直接運営しなくては意味がなく、ゴルフ場全体の運営プログラムの中に組み込まれるべきものである。そしてさらに各ゴルフ場は、ジュニアプログラムを運営できる能力を持つ人材を起用し、メンバー全員がそのプログラムを受け入れることはもちろん、主人公になって運営されるべきものである。
こうしたことを実現するためにニュージランドでは以下のような提言と活動を行っている。
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(1) |
ジュニアゴルファーの受け入れを拒否するクラブの主張を認める代わりに、全国機関を通じてジュニアプログラムを実施しないゴルフ場には、法的に金銭的なペナルティーを課す。 |
(2) |
ジュニアプログラムを導入し成功させることは、将来への投資であることをゴルフ場に理解させる。 |
(3) |
ジュニアプログラムを導入したゴルフ場に、全国機関を通じ経済的補助がいくような法律の制定を行う。 |
(4) |
ジュニアプログラムを導入したゴルフ場に、AMPニュージーランド・ゴルフ協会などを通じすべての資源を提供する。 |
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これらのことを実現、遵守することで、対ゴルフ場関連の障害は乗り越えられると理解している。
我々のジュニアプログラムについて説明すると、ジュニア育成のためにAMPニュージーランド・ゴルフ協会が1987年に設立され、現在はニュージランド・ゴルフ協会の一機関となっている。
我々の主な活動はジュニアプログラム導入を各ゴルフ場に働きかけるとともに、導入したゴルフ場をアシストすること。ジュニア向けゴルフ道具を低価格で提供すること。またJDO(ジュニア・ディベッロプメント・オフィサー)、つまりジュニア開発官の養成も特に重要な仕事になる。JDOは主にパートタイマーで活動し、PGAのプロ、学校の教師、ゴルフマニアなど様々な職業の人達で構成されている。彼らは一定期間の研修を受けたあと、キーウィーゴルフ(ゴルフ未経験者用練習ツール)を子供達に配布したり、学校の教師にキーウィーゴルフを教える。さらにジュニアプログラム実施の各ゴルフ場のアシスタントやボランティアコーチの養成などがある。主にゴルフ場を中心として彼らの仕事が展開されているのは、ゴルフは学校スポーツではなく、クラブスポーツであると我々がとらえているからである。 |
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