10番ホールからスタートした白谷は、昨日から好調が続くドライバーショットが功を奏してパーを積み重ね、14番でボギーを叩いたものの、前半は1オーバーパーで着実に首位固めを進めているかに思われた。しかし、ハーフターンをすると1番で突然ドライバーショットが引っかかりはじめ、3番(350ヤード・パー4)では左ラフから左足下がりの2打目がシャンクし、3オン3パットのダブルボギー。気落ちした白谷は、ここを境にペースを乱し7番(345ヤード・パー4)をボギー、8番(360ヤード・パー4)で再びダブルボギー、9番(370ヤード・パー4)もボギーとして3ホールで4ストローク落とす乱調。それでも、他の上位選手もスコアを伸ばせず、辛くも首位を守った。「今日の前半まで好調だったドライバーショットが1番でいきなり左に引っかかって…。ドライバーショットが良くないと気分的に乗れませんね。3番のダブルボギーで切れかかっていたのをなんとか耐えて4番から3ホール連続パーでしのいでいたんですが。8番のダブルボギーで完全に切れてしまいました」と悔しげ。「練習ラウンドを含めて3日連続のゴルフは、60歳代にとって体力的にきついですよね」と突然の乱調を分析した。白谷は40歳から健康促進のためにゴルフを始め、ゴルフ歴は24年。87年の関西女子アマチュアゴルフ選手権競技に初出場すると、翌年には日本女子アマチュアゴルフ選手権競技に出場。女子シニアには第2回大会以来10回連続で出場を続けている。「ゴルフを始めた当初は自分が競技に出場できるなんて思いもしませんでした。ただゴルフが好きで好きでたまらず、練習を続けてきただけです。全国大会に出られば、各地のゴルファーと友達になれるのも嬉しいんですよね」とこれまでのゴルフ人生を語る表情は優勝争いを前にしているとは思えないほど柔和だ。優勝に向けて抱負を尋ねると「距離がしっかりとある琵琶湖CCでは、アプローチの出来が鍵になります。50ヤード以内が勝負ですね」と明日のプランを語ったが「でも、自分の目標は来年の女子シニアへのシードが与えられる10位以内です」とさらりとかわす。白谷は2000年大会で3位、2002年大会では4位タイと優勝に近づきながら、女子シニア日本一の座を手に入れていない。明日は歴代優勝者(種田、福井)と同組でのプレーとなる。無欲の白谷が初優勝を呼び込むのか注目したい。
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