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競技報告
【プレーを楽しんだ種田が3度目の優勝を果たす】
第3日 競技報告:JGA 写真:JGA
「楽しくプレーしたい。それだけなんです」――種田は、ことあるごとにそう話していた。ゴルフがプレーできる喜びを感じられる心の余裕を強調していた種田。その気持ちは3回目の優勝がかかった今日のラウンドでも変わることなく、最終組でのプレー中も同伴競技者の白谷と福井和子(ブリヂストン・56歳)の3人で他愛も無い会話を楽しんでいた。そのリラックスした気持ちが前半からの好スコアにつながったのかもしれない。
1番(480ヤード・パー5)でいきなりドライバーショットを右のバンカーに入れるものの、5番ウッドを使った3打目がグリーンオン。2パットのパーでしのぐと、2番(160ヤード・パー3)では、7番ウッドのティショットがピンから3メートルにつくバーディーチャンスを確実に決めるなど、安定したプレーを見せた。種田は前半、1オーバーパーの37。優勝争いをしていた他の選手が40ストローク台で苦戦しているなかで、種田のスコアは出色だった。しかし後半に入ると10番、14番をボギー。前半とは一転しての苦しいゴルフ。その種田を救ったのは15番での奇跡的なバーディーだった。
15番ホールにはティーインググランドの前に池がある。この日、いつもはつがいで姿を見せる白鳥が1羽だけで水面で羽を休めていた。その姿をみた種田は、昼食代わりに用意していたパンをちぎり、白鳥に分け与えた。優勝争いの中でみせた小さなやさしさと心の余裕。このホールで2打目をグリーン手前に運んだ種田は、逆目の強烈なスライスラインの20ヤードのアプローチのクラブ選択に迷いながら、パターを選択した。本人が「まぐれかも」というほど自信のないなかで打ったパットは、見事にラインに乗ってカップに沈んだ。白鳥からのプレゼントのようなバーディーを奪った種田に追いつく選手は誰もいなかった。リラックスした気持ち、心の余裕が呼び込んだ逆転優勝の種田だが、「優勝したんですけど、狐につままれた気分なんです」と第一声を発した。それは、これまで週2、3回のラウンド回数が月2、3回に限られる逆境のなかでこの女子シニアを迎えていたため。練習不足から思うようなショットが打てないジレンマと戦いながらプレーした3日間を終えて「2回の優勝はまぐれでとれたのかもしれないけど、3回目の優勝は実力でとれたと思いたい」と最後にほんの少しの自負をにじませて会場をあとにした。


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