前日トップの矢嶋を中心に、2位に並んでいた田村幸子(日本海・新潟)、折尾紀美子(京欄・広島)の3人の争いになったが、経験豊富な矢嶋が最後に笑った。前日、話題の主になった田村はスタートで躓いた。5ホール連続のボギーで優勝争いから脱落。残る折尾、矢嶋の競り合いが続いた。運命の別れ道になったのは後半の16番(383ヤード・パー4)だった。このホールで両者は3打目でグリーンに乗せた。折尾はグリーンの奥から致命的なスリーパットをしてダブルボギー。これに対して矢嶋はアプローチをワンパット圏内に寄せて手堅くパーを拾った。それまではアウトを終って1打の接戦が続いたが、この手痛いパットの失敗で折尾は3打の差をつけられ、追いつくすべはなかった。
矢嶋は『10、11番の連続ボギーで、追いつかれるかもしれないという不安な気持ちになった』と難産の優勝を振り返ったが、18番でパーを拾い、硬い表情を緩めて白い歯を見せた。ここで優勝を確信したようだ。
この日は東京から夫君の賢太郎さん(61歳)と令嬢の里菜さん(聖心女子大2年)が応援に駆けつけていていたが、矢嶋は優勝後、夫君の胸に顔をうずめて大粒の涙を流した。
賢太郎さんは『よく頑張った』と笑顔で矢嶋の肩に手を当てて健闘をねぎらった。
優勝した矢嶋と応援のファミリーに仲良く『天晴れ!』
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