1日で66という驚異的なスコアで回った山本隆允は前日、阿部靖彦・東北福祉大ゴルフ部監督に『こうなったら、メダリストを狙え!』と激励されたそうだが、日頃、あまり感情を表に出さない山本にしてはめずらしく、『やります』とこぶしを握りしめてスタートした。インコースから早い時間にスタートし、ボギーなしの理想的なゴルフを展開して宿願のメダリストになった。『パットのできは昨日の方がよかった。ボギーなしのゴルフはティショットがよかったからでしょう』とビッグな栄冠ににっこり。だが、その陰には筋力アップのためのトレーニングがあり、一年のうち300日は欠かさないという。気候が温暖な山口県の岩国市近くの田舎に育ち、父親の治さん(49歳=縫製業)にゴルフを仕込まれ、中学から高知県の明徳義塾高に進み、東北福祉大に入ったのは星野英正、宮里優作という大学の一線級のプレーヤーに憧れてのこと。昨年は関東学生選手権の決勝で同僚の藤島晴雄に敗れて悔し涙を飲んだ。あまり、感情を表に出さないクールな男がマッチプレーでどんなゴルフをみせてくれるか、楽しみだ。
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