予選の2日間を追い風に乗ったようなプレーをしていた山本隆允(東北福祉大3年)の調子がにわかに崩れ、マッチプレーに入って大倉清(大博多)に逆転負けを喫して1回戦で早々に姿を消した。山本は敗戦に首をひねるばかり。致命傷は14番のダウンだった。第1打を右に押し出したのがまずかった。ここで不測のボギーを叩いて2ダウンの劣勢を背負った。この日、山本は好調に3番で大倉のミスに乗じて1アップ。追いつかれてもすぐリードするといった具合に優位にゲームを展開した。だが、中盤からドライバーショットが曲がりだし、若さを露呈した。左右の深いラフに入れることが多くなり、これが終盤に響いた。『昨日に比べたら、別人のゴルフでした』と自らが認めるように、16番で3ダウン。2ホールを残して42歳のベテラン大倉に屈した。大倉は前日、予選のプレーオフで12人の中から辛うじて勝ち残った一人だった。若い世代が主役になったゴルフ界とはいえ、『メダリストは勝てない』というゴルフ界のジンクスは死語ではなかった。ちなみに日本のアマチュア選手権で、メダリストで優勝したのは男子では昭和28年の三好徳行さん(故人)と女子は昨年、日本女子アマに勝った宮里藍(プロ)の僅か二人にとどまる。
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