2年連続でハイティーン対決となった決勝戦は朝からの雨と風の中で、8時ジャストにティオフした。上下レインウェアの金庚泰(韓国)に対し、1ヶ月だけ若い永野竜太郎(水城高校)は下はレインウェア、上は白のゴルフウェアだけという軽装だ。梅雨前線の活発な動きで、午後からは100ミリ近い本格的な雨の予報が出ているだけに、36ホールの長丁場は波乱含みの試合展開が予想された。前半18ホールは両者バーディのイーブンでスタートすると、獲ったり獲られたりのシーソーゲーム。アウト9ホールは両者2バーディ・2ボギーのマッチイーブン。南南東の風3㍍という気象台の発表だが、標高500㍍の赤松林にセパレートされた高低差のあるコ
ース上ではもっと強く感じられる。松の枝をゆすって抜ける風音が耳に強く響くのだから。そんな難しいコンデションながら、若い二人のコンペティターは快調なショットを放つ。永野は果敢にドライバーを振るホールが多く、持ち前の高い弾道でドローボールを放つ。一方の金は距離の短いホールでは、フェアウェイウッドを多用して、低い弾道。スウィング軸が太いのでは?と思えるほど、スムースなボディターンを見せる。その昔、パーシモンクラブ時代に、風の強い日の林間コースでは、“林の高さ以上にボールを空中に上げるな。空にもOBがあるから”と言われたものだが、メタルドライバー時代の申し子、永野の弾道は素晴らしく高かった。飛距離も永野が常に20~30ヤードは金を置いて行くホールが多い。その上に金はレイアップするので、おおむね金がセカンドショットを先に打つ。インに入ってもどちらかがアップするとしても1アップ止まりで、膠着状態が続き、 18番を両者パーで引き分けた時点で、オールスクウェアなのだ。その時、11時45分、3時間45分のスムースなラウンドで終わった。
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