「昨日は、優勝を意識したのか自分のゴルフが出来ずにスコアを崩してしまった。今日は楽しくプレーする自分のスタイルを守ろうと思ってスタートしました」という池田の1番ホールのティショットは、リラックスした気持ちが奏効したのか、同組で大学の先輩の山本隆允(東北福祉大4年)と首位スタートの岩井亮磨(東北福祉大2年)の先、フェアウェー真ん中にボールが落ちた。このホールで幸先良くバーディーを奪うと、その後は、持ち前のコースマネジメント能力をいかんなく発揮して、「スコアを伸ばせるところは確実に。危険なホールは着実にパーをセーブするゴルフ」で、2位に5打の大差をつける圧倒的な強さを見せて初の日本学生タイトルを手中に収めた。
大学に進学した昨年は、自分でも驚くほどのスランプに陥った。最終組でのプレーも高校3年生以来なら、優勝争いも2年ぶり。池田本人も相当に苦しんでいた。「大学に進学して、環境がまるっきり変わってしまい、調子を崩してしまいました。今年は自分が新鮮な気持ちでプレーに専念できるよう、身辺整理のようなこともしていました」と語る。
優勝を意識しないといっても、なかなかできるものではなく「昨夜も今朝も色々と考えていました。でも、最後の結果を知っているのは神様だけなんだから」と開き直って、今日のプレーに臨んだ池田。「この勝利でやっと2年前の自分が戻ってきた感じがします。今年の目標のひとつだった日本学生に優勝できて、これからの試合で自分がどのようなゴルフができるのか自分でも楽しみ」と屈託のない笑顔を見せた。池田が目指すのは「自分が楽しみ、応援してくれる人や支えてくれる人たちを楽しませる」プレーだという。
廣野ゴルフ倶楽部で開催される日本オープンゴルフ選手権競技への出場権も獲得し、「できるだけ上位に入りたい。ローアマチュアという目標ではなく、ひとつでも順位をあげていきたい」と息巻く。復活なった池田が難コースとして知られる廣野ゴルフ倶楽部でどんなプレーを見せてくれるのか、日本オープンの楽しみがひとつ増えた。
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