そして、雨中の決勝ラウンドとなった3日目、注目の的は尾崎将司とペアを組んだ伊藤勇気。58歳の尾崎と18歳の伊藤が戦うのだから、「まるで親子対決。それもプロとアマチュアの真剣勝負か!」とギャラリーが傘の隊列を組んでホールを進んだ。
しかし、昨日までのラウンドで63歳の青木功としのぎを削った尾崎にしてみれば、伊藤との40歳の年齢差はやりにくい要因なのか、1番ホールでいきなりダブルボギーを叩いてしまう。ドライバーを右のラフに入れ、フェアウェーウッドで木の下を抜く低いショットを試みるが、木に当て3打もグリーンをショートして4オン2パットという結果だった。
一方の伊藤は涼しい顔をしてゆったり歩き
、ジャンボ尾崎の黄金期を知らない強みか、マイペースを貫いていた。強めに打つパットが功を奏して2バーディー・1ボギーの34で折り返すと、尾崎は9番でもダブルボギーを打ってアウト41、これで完璧に明暗が分かれた。結局、伊藤が72、尾崎は80という散々な結果だった。
この日、アマチュアで最高位の8位につけた岩井亮磨は70(34・36)の1アンダーパーという立派な内容。他のアマチュアがすべてオーバーパーだっただけに、首位伊沢、川岸プロとわずか4打差なのだ。明日の最終ラウンドには最終組の4組前で戦うことになった。
もう一人、この試合を最後に”プロ入り宣言”が噂されている額賀はアウトを37の1オーバーで廻ったものの、インで12番のトリプルボギーなどがあって苦戦。それでも最終18番、第2打を7番アイアンで乗せ、ロングパットを決めてバーディー。トータル4オーバーパーの22位につけた。関東アマ2連覇も立派な肩書きだが、なんとか「憧れの廣野で行う日本オープン」で好成績を挙げ、晴れてプロ入り宣言をしたいところに違いない。
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