昨年の日本アマでは準決勝まで行って、優勝した金庚泰(韓国)に5and 4で敗れた田村尚之(賀茂CC)は、今年はもう一人の韓国ナショナルチーム選手の康晟訓(韓国)にやはり準決勝で敗退、涙を飲んだ。2年連続のベスト4止まり、それも40歳代の社会人アマチュアで、ナショナルチームの一員として高校・大学の学生ゴルファーと合宿や練習ラウンドで切磋琢磨してきただけに、プレー終了後真っ先に「申し訳ありませんでした」とお詫びの言葉が飛び出した。
準々決勝で木下裕太(日本大)を3and2で下した後、昼食を摂った時点で、「私か宇佐美選手が頑張らないと、韓国選手同士の決勝になってしまう。どこまでやれるか分かりま
せんが、精一杯やります」と勇んでいただけに、17番ホールまで接戦を続けて惜敗したゲーム内容よりも、“日本勢全滅”の結果に責任を感じてしまったに違いない。
アウト9ホール終了時点ではイーブンだった。イン最初の10番、残り150ヤードを20cmにつけるファインショットで1アップした時は、日頃の筋力トレーニングの効果でスタミナは十分残っていると思われた。しかし、直後の11番パー3で右のバンカーから寄らず入らずのボギーで、またもイーブン。これで緊張が切れたのか、12番にトラブルが訪れる。ティーショットをドッグレッグ・コーナーのクロスバンカーに入れ、7番アイアンで脱出するはずが、わずかにダフってOB。打ち直しもOBの藪に消えて、このホールをギブアップしたのだ。これがターニング・ポイントとなって、15番での3パットを引き出してしまい、これで2ダウン。
ドーミー・ホールとなった17番パー3で、康の乗せたボールの内側につけるショットを見せたのが最後の抵抗だった。康の強気のバーディーパットがカップのど真ん中に決まった瞬間、日本選手代表格、田村の役割が終わってしまったのだ。
決勝にコマを進めた韓国2選手と2年にわたって準決勝を戦った経験が田村にこんな発言をさせたようだ。
「ふたりとも付け入るスキを見せない力量がある。私の力不足なのでしょうが、彼らは背中に何かを背負っていると感じました。それは日本の若手選手にはない何かなのでは?」
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